Why is that 2 - 1/8



「それではこれより準決勝、種尾学園対氷帝学園の試合を執り行います!」

神宮が行った後間も無く可憐と宍戸は一同と無事合流し、なんとか昼休みの間に弁当を食べ終えた。

今から準決勝開始という事で、今は皆続々とコート周りに集まっているのだが。

「あ、網代先輩に忍足先輩。」
「あら、詩織ちゃん。」
「ちゃんと着いてたんやな。」
「はい、有難う御座いました。

神宮は観客の中に混じって、ちゃんと見る姿勢になっていた。

一方。

「宍戸君・・・」
「ああ・・・居ないよな彼奴。」

誰の事と言って、木崎の事である。

この会場は運動公園で、テニスコートだけでなく各種競技施設が色々ある。
1人で駆けて行った時も、おそらく宍戸を振り切ろうと必死になっていて、テニスコートの方角を目指すどころではなかったと思われるし、何処かで迷っているのではないだろうか。

「・・・宍戸君。」
「あ?」
「私、やっぱり探しに行って来るっ!」
「・・・マジかよ。」

「え、何だ?」
「どないしたん?」
「探すって、何を探すの?」

意気込む可憐に、話の分からない向日と忍足と網代の視線が集まる。

「・・・見つけたって、彼奴素直に言う事聞くとは思えないぜ。」
「でも、困ってるかもしれないよっ!放っておけないもん・・・」

自分は氷帝学園のマネージャー。
此処に居なくてはいけない。会ったばかりの見ず知らずの人を探して、ふらふら何処かへ行くなんてやってはいけない。それは分かってる。

だが、普段からちょくちょく迷子になる身としては、自分とそう変わらないくらいの歳の木崎がもしも1人迷子になっていたら、きっと自分と同じく不安でいっぱいではないかと思う。そう考えると、他人の事のように思えないのだ。

それに、少なくとも木崎は試合を見たがっていた。折角会場迄辿り着いたのに殆ど見られなかったりなどという事になったら、可哀想ではないか。

「はあ・・・」
「なー亮?何の話?」
「いや戻って来た時にちょっとな。テニス見に来たんだけど、道が分からないって奴が居てよ。」
「案内なんて要らない、って言って走って行っちゃったんだけど、その子居ないから・・・」
「何処かで迷子になっとるんちゃうか、っちゅう事やな?」
「そう・・・大丈夫かな、千歳さん。」

(千歳・・・!)

神宮は顔を上げた。

「あ、あの!」
「どうしたの詩織ちゃん?」
「その人って、木崎千歳さんですか?金髪で、リボンでサイドテールの・・・」
「あっ、そう!金髪でリボンでサイドテールだった!」
「やっぱり・・・」
「知り合いか?」
「はい、クラスメイトなんですけど・・・」

けど、で言い澱む神宮。

「・・・取り敢えず、可憐ちゃん。行きたいなら行けば良いわ。」
「ええっ!?」
「ええのん?」
「まだ地区予選だからそうそう大きなトラブルとかも無いと思うしね。何かあれば部長様には、私から言っておくから。」
「茉奈花ちゃん・・・!」
「た・だ・し。」

網代は人差し指を左右に振った。

「1人は駄目よ、必ず誰かと一緒に行く事。」
「あう・・・でも、後1人・・・」

後1人だけ。

「・・・宍戸、行ったり。」
「分かってるよ!」
「ま、亮は顔分かってっしな。」
「ごめんね宍戸君・・・」
「良いって。」
「つーか、桐生が言い出さなかったら亮が言い出してただろ?」
「はあっ!?そんなわけねえだろ!」
「あははっ!」
「お前も何笑ってんだよ!」

宍戸の優しさは分かりにくい。
こういう所が向日の言う誤解されがちなポイントであると同時に、如何にも宍戸らしい所だ。

「じゃあ、行ってくるねっ!」
「跡部には言っといてくれよ、マジで。」
「おー、任せろ任せろ。」
「それより、2人で逸れないようにね?」
「何かあったら連絡しいや。」
「うんっ!」

可憐と宍戸はこうして、木崎を再探索に出かけた。