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「これより第4試合、立海対野田南のS2の試合を執り行います!」


「S2ね!順当なオーダーって事は、あの子はさっきの柳君より強いって事・・・さあ、お手並み拝見させて貰うわよ!」
「テンション高いなw」
「何、急にやる気になっちゃって。」
「さ、最初からやる気だったわよ失礼ねー!」
「まあまあ・・・ほら、始まりますよ!」
「真田っちー!頑張れー!」


「プレイ!」


この時点で、立海は既に3勝を納めている。
つまり、展開としては地区予選の第一試合と丸きり一緒である。

だから、又手を抜かれるんじゃないだろうかと真田は少し心配していたのだが。

「行くぞ、立海!野田南の底力を見せてやる!(そしてあわよくば雑誌に載ってやる!)」

(ふむ、確かに闘志は損なわれていないと見える!良いぞ、やはり勝負はこうでなくては!)

何かちらちらと不純な動機めいたものが透けている気もするけれど、まあそれは良かろう。

「・・・ふっ!」



「凄い・・・!なんて速さのサーブなの!」

(しかも、アグレッシブベースライナーかと思ったらそうじゃない!スピード、コントロール・・・オールラウンダーなんだわ!)

なんて高いパラメータなのだろう。
1年生にしてこの完成度とは恐れ入る。

「この実力でS2・・・!ううん、ジャーナリストとして腕が鳴るわ!どう書こうかしら?ああでも、先ずは最後まで見てからよね!」

(ほ、本当になんだか、急に元気になられましたね・・・)
(うんうん!元気は良い事ですお!)
(変な事書くんじゃないでしょうね。)
(この場合勢いづかれるのも怖いなw)

「ねえ!」
「は、はい!なんですか!」
「あの子の事も教えてよ!名前は真田君?で良いの?どんな子?」
「え、ええと、とっても真面目です。自分に厳しい人で、ストイックな性格で、」
「真田っちはねー、優しーとこもあるんだけど、怒るとちょー怖いよ!よく、たるんどるー!とかって怒鳴ってるしー。」
「付き合い辛い。頭固いし。」
「お前と紀伊梨はもう少しちゃんと紹介してやれよwあ、成績とかは良いよw出来ない事はあんまりない感じw」
「ふんふん、成程ねー。柳君と違って、うるさ型厳しいってやつかしら。人や自分に対してキツイ事を強いるのに、躊躇いの無い感じねきっと!周りと軋轢を生む事もあるけれど、大声で人を叱れるタイプって言うのはチームにとっては居るのと居ないのとで士気が全然違うから、貴重な人材だわ・・・」

的確な分析である。

今みたいな時やなんかは、素直に4人共、ああ格好いいな。
流石プロのジャーナリストだな、なんて思えるのだが。

「・・・で?真田君の好みのタイプはどんな女子かしら?」

これである。

「はーあ、だる。」
「だるい!?怠いですって、聞き捨てならないわね!ちょっと、ええと・・・千百合ちゃん!貴方ね、そうやって若い内から枯れて枯れてカラッカラな感性でどーするの!駄目よ!そんな風じゃ!年をとってから苦労するわよ!ねえ!紫希ちゃんと紀伊梨ちゃんもそう思うわよね!」
「え?えええ、ええと・・・」
「そなの?くろーするの?」
「するの!見なさい、この私!学生の頃はシャイで幼気でうぶだった私・・・本当は恋愛に興味津々だったくせに、がっついてると思われるのが嫌で、猫被って何時までもじっとしていて、それで大人になって、やっっっっと自分を解放できると思ったらこれよ!30才!独身!彼氏居ない歴=年齢!旬はとっくに過ぎていました!A-han!?」
「やべえw魂の叫びだw」

取材の話より何の話より熱が籠っているように見えるのは、気の所為ではあるまい。

「あ、あの・・・子供の私が言うのも生意気ですけれど、人生に旬なんてきっと無いと言うか・・・一生懸命ならいつだってーーー」
「そう!?そう!?そう思う!?本当にそう思う!?ねえ、私まだイケてるかしら!?」
「は、はい・・・」
「紫希、まともに取り合うなって、こんな素面で酔ってるような大人に。」
「何ですってえええ!」
「だーいじょーぶだよー!ひたきおねーちゃんはまだまだイケてるよー!」

その言葉に、小鳥遊はピタリと動きを止めた。

「Once more.」
「へ?」
「もう一回言って?」
「大丈夫だよ?」
「その後!」
「まだまだイケてるよ?」
「惜しい!行き過ぎた!その前!」

「ひたきおねーちゃん?」

「・・・・・!あーん!紀伊梨ちゃん大好きー!」

そう言って紀伊梨に抱き着くひたきは、割と本気で喜んでいる。
真面目に。大真面目に。

(お姉ちゃん、の響きがそんなに嬉しいのか。)
(で、でも小鳥遊さんは美人ですし、そんなにお気になさらなくても・・・)
(知ってるか、紫希w「若く見える」のと「若い」のとの間には、狭いがマントルより深い溝があるんだぜw)

ジャーナリストであると同時にミーハー気質でもあるのかと思いきや、どうもそれに加えて何かその辺にコンプレックスもある模様。



「30-0!」



「あ、ヤバい試合見て無かったw」
「た、小鳥遊さん、紀伊梨ちゃんを離してあげて下さいーー「やだー!小鳥遊さんじゃなくて、ひたきお姉ちゃんって呼んで?」え・・・」
「あんた何しに来てんのよマジで。」
「むいー!見えないー!何がどーなってんのー!?真田っち勝ってるー!?」