「しっかしまさかねー!」
「・・・・・」
「千百合ちゃんが幸村君の恋人だとは思わなかったわよお。」
「喧しい!」
ああ、今すぐその高そうなカメラに一発入れてやりたい。
くそ、大人だからって理由で好き放題言いやがって。
「ごめんなさい千百合ちゃん・・・」
「ああ・・・いや、紫希は悪くないよ。向こうに聞かれたらバレるんだろうなってのは当たってるし。」
「っていうか、千百合っちはどーしてそんな嫌がるのー?」
「お前、いつか同じ立場になったら絶対同じ事してやるから。本当だから。覚えてるからね私。」
分からないのか、この恥ずかしさ。
この、ミーハー的観点からの質問に答える嫌さが。
こんな手合いに知られたら最後、もうスッポンのように食いついて来て離さないに決まってるのに。
「で?何処までいったの?」
ほらね。
「流石にその質問は無いんじゃないすかw良い年した大人がw」
「あらやだ、大人だから聞きたいんじゃない!ねえねえ千百合ちゃん、」
「うるせえ!」
「こないだ植物園行ったんだよねー!」
「ああ・・・違うのよ紀伊梨ちゃん、私が聞きたいのはそういう事じゃなーいの。」
「??そなの?じゃ、どーいう事?ねー紫希ぴょん、どーいう事ー?」
「えええと・・・ええと・・・ええ・・・その、なんというか、お、大人の話です!その内習いますから学校で、きっと・・・」
「へー!そなんだ!学校で教えてくれるんだー!」
嘘は言ってない。
多分その内、保健の授業で習うと思う。思春期の事とか行為の事とか、色々。
当分は先だろうけど。
序に、授業中紀伊梨が起きてると言う保証もないけど。
「あら、紫希ちゃんは頭が良いわね。上手く切り抜けたじゃない?」
「ど、どうもです・・・?」
「おばさん、いい加減にしないと手が出るわよ。」
「中学生になったばっかだぜ、俺達w」
「はっ!確かに、そう言えばそうね・・・貴方達、中学1年生なんだわ。」
「あり?言ってなかったっけー?」
「いえ、言われたけど抜けてたっていうか。何かこう、幸村君真田君柳君と立て続けに見たせいで、こう、ね?何か、高校生の試合観戦してる気分にいつの間にか・・・」
それはわからないでもないかもしれなかった。
あの3人は兎角大人びているので、高1と言っても多分通じる。
「あ!皆居た!おーい!皆お疲れー!」
県大会は、順当に勝ち進んだ場合全部で6つ試合がある。
前半戦日と後半戦日で、3試合づつ消化。
更にその3試合は、昼を挟んで午前1試合、午後2試合に分けられる。
今1回戦目が終わったので、次は昼。
又皆で飯を囲もうという予定だったのだが。
「五十嵐。」
「真田っちお疲れー!・・・あり?どったの?何か怒ってる?」
「お前達には何も怒っていない。俺が腹を立てているのは、お前達の後ろについて来ている其処の記者だ!」
でしょうね、と全員が思った。
怒られないわけがない、この武将に。あれだけ騒いでおいて。
「えっ!?私!?」
「当たり前です!何処の誰だかは存じませんが、そんな事は関係ありません!勝負の場をなんと心得ているのですか!」
「ひいいいいっ!ご、ごめんなさい!許して!」
「さ、真田君、小鳥遊さんも半分以上はお仕事でしたから、ほどほどにしてあげて・・・」
「良いから、お前さんも放って置きんしゃい。」
「触らぬ神に祟りなしです、春日さん。こちらで準備しましょう。」
「で、でも・・・」
「きょーも皆強かったねー!見てるだけでお腹減ったよー!」
「同感。足りっかなこれで・・・もうちょい持ってくるべきだったか?」
「お前らな・・・」
「よw今日も安定してたねw」
「ああ、危なげなく勝てた。とはいえやはり、地区予選程楽は出来ないがな。」
「まあ、トーナメントってそういうもんよねw」