「ふふふん♪ふふふん♪ららららー♪」
「よっ!おはよ。」
「あ!ブンブンおっはー!ねえねえ、ブンブン今日部活の後空いてる?」
「今日?えらく急だな、空いてるけど。一応。」
「おしゃー!じゃあじゃあ、皆で七夕行こーよ七夕!笹の葉サラサラしよー!」
「七夕?」
笹の葉さらさらするって何だよ、とかいう突っ込みももうしない。いちいち気にしてたらキリがないし。
「駅前でねー、七夕祭りするんだよ!短冊書いて笹に吊るしたらその笹が最後に、えーと・・・忘れちゃったけど、どこかの偉い神社に持ってってくれるんだってー!」
「ああ、そういう奴か。」
「後ねー、何か行ったら中学生より下は色々ただで貰えるんだってー!」
「食い物は?」
「ある!お菓子!」
「おっし!」
無料配布の駄菓子とても、この2人にとってはとても良い物。
それがあるかないかで大分話と言うかテンションが変わってくる。
「でも、今日はミーティングじゃねえしそれなりに遅いぜ?」
「うん!でも近いし、ちょっと遅くなってもだいじょーぶっておかーさんが言ってた!それにそれに、夜暗いほーが七夕!って感じだよねー!」
「ああ、まあな!昼っぽくはねえよな確かに。なんだっけな、星座の話?織姫がアルタイルで・・・あれ?ベガだったか?」
「???織姫って織姫じゃないの?」
「いやだから。織姫なんだけど、その織姫が夏の大三角のどれかで・・・って、お前小学校の時習ったろい?」
「忘れた!」
「はあ・・・・」
「だってー!紀伊梨ちゃん星座とかそーいうのそんなに好きくないんだもーん!」
「へえ!お前星とか好きじゃねえの?如何にも好きそうだけど。」
「お星様は好き!ちょーキラキラしてて、めちゃんこ綺麗だし!でも星座のべんきょーとかはきらーい!」
「あ、そういう事かよ。」
「そー!大体、夏の大三角とかせんせー言うけどさー、どれが三角なのか分かんないよー!あーんなに沢山星がキラキラしてるのにー!」
「ま、そうだな。あんまり見えすぎても星座ってかえって見付けにくかったりするんだよ。」
「むかーし貰った丸くてくるくる回す奴も、どっか行っちゃったなー。」
「星見表だろい?俺ももう何処にあるか分かんねえな。捨てたっけ?」
捨てたかどうかすらもあやふやな、夜空を見る為のツール。
なんだか今になって急にちょっと見たくなったな、なんて思いながら丸井は母親に遅くなる旨のLINEを送ったのだった。