「よし・・・よし・・・うんっ!オッケー!行ってきますっ!」
「はいっ!行ってらっしゃいっ!」
気合十分の娘と、それを見送るこちらも気合十分の母親。
今日は関東大会2日目。
初日は大きなトラブルも(結果的には)無く乗り切れた。
そして今日だ。今日もその調子でドジせずやり過ごさないといけない。
でもなんだかんだ最近致命的なミスはないし、私達ちょっといい感じじゃない?
なんて思いながら玄関に降りる可憐と遥だが。
「じゃあ行ってきま・・・」
「遅い。」
桐生家の前には、今日もリムジンが鎮座している。
「おはようございます、お母さま。」
「えっ!?あ、お、おはよう跡部君!早いね・・・?」
「おはよ~桐生ちゃん!」
「おはようございます・・・」
「おはよう、芥川君に樺地君・・・じゃないっ!跡部君、どうしてっ!?余裕持って出るからお迎えは良いって・・・」
「お前、何時の電車に乗るつもりだったんだ?」
「だから今から15分後のやつだよっ!初日もその電車で、」
「桐生ちゃん、こないだは日曜だったけど今日は土曜日だよ?」
「ダイヤが・・・違います。」
「「あ。」」
王の深いため息が朝の桐生邸に落ちた。
一方そのころ、黒崎家でも千百合と棗が正に今家を出るところであった。
「・・・・・・」
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい・・・棗。どうかしたの、なんか静かじゃない?」
「棗!?どうしたんだ!?具合が悪いのか!?お父さんが車を出すから病院に「うるせえんだよ、黙ってそこに座ってろこのあんぽんたんが!」
「いや・・・うん。別に体調じゃないからw行ってくるわw」
「何だよ気持ち悪い。」
「あれか。もしかして負けるかも的な話?」
「うん?なあんだ、それならそんなに心配することないじゃないか!幸村君たちは強いんだから、今回も勝つだろう!」
一点の曇りなく安直に信じている父の発言が刺さる。
良いなあこの親父は気楽で。
もしかして、成り行きによっては愛娘が転校するかもしれないのに。
「・・・まあうん。取りあえず今度こそ行ってきますw」
「行ってきま。」
「行ってら。」
「皆によろしくな!」
親の声に背を押され、千百合と棗は家を出る。