Aptitude - 1/9


9月に入ってすぐの事だった。

1学期に行われた水泳大会。そう、忍足がバスケ部から網代をかけて勝負しろと言われて、返り討ちにしたあの大会である。

皆、網代が誰のものになるのかということに目が行きまくって、他の事をすっかり忘れていたのだが。

あの時、忍足は「こっちが勝ってもメリットがない。」ということで、ちゃっかり勝利へのご褒美をバスケ部に強請っていた。

それがこれ。


「テニス部はこっちでーすっ!男子テニス部マネージャー希望者の方は、これを機会にぜひいらしてくださーいっ!」

「人手が足りませーん!1年生、2年生の入部を歓迎してまーすっ!」

「新人戦に向けて、お手伝いが必要でーす!お願いしまーす!」


「わああ・・・すごい、すごいねっ!」
「うんうん♪壮観だわあ、これは集客を見込めるわよお!」

ただいま、バスケ部は絶賛駆り出され中。
テニス部のマネージャーの新規勧誘のために、である。

俺達バスケ部なのに、なんでこんな目に・・・と言うと、まあ元々は自分ところの部員が吹っ掛けたのが原因なので、文句も言えず。

「どのくらい入ってきてくれるかなあっ?」
「ううん、10人は合格して欲しいわねえ・・・」

正直、効果のほどは見通しが立たなかった。

夏を経て、氷帝テニス部は全国準決勝敗退という結果を残したわけだが、これは可憐達にとっては不満な結果でも、全校生徒の大半にとっては、よくやったと十分褒められてしかるべきの結果。

それは+の材料だが、同時に、入る気のある人はもう粗方入ってしまっているという-ポイントもある。

差し引きでどれくらいかなあ・・・と思いつつ、可憐は声を張り上げるバスケ部を見ていた。