次の日。
朝食を終え、ひと段落すると、一同は夢でも見ていたような気持ちになった。
昨日は結局、いつどのようにして部屋に戻ったのか、判然としない。
気づいたら、いつの間にか部屋で朝日に照らされていた。
一番最後まで起きていた幸村も、どうも記憶にーーーそれこそ霧がかかっているようで、よく思い出せない。
バスの会話は、辛うじて覚えているが。
本当に行ったのかな。
夢だったんじゃないかな。
そう思いながら、級友に混じって外に出ると。
カア。
「あー!カーラちんおはよー!」
カーラ(烏の方)が居たので、一同はやっぱり夢じゃなかったんだなという気持ちになった。
「なんか・・・なんかこう・・・」
「千百合?」
「・・・すごい妙な気分。疲れてるような、そうでもないような。」
「ああ、わかるよ。何か、体が不思議にぴんぴんしているよね。頭は結構疲れてるけど。」
「ああ、私もそんな感じ。っていうか、精市平気なの?」
「うん?」
「昨日、一番最後まで起きてなかった?バスで。」
千百合もバスの中で相当粘ったし、何より幸村は隣に座っていた。
ので、なんとなくずっと起きていたのを気配で察していた。
ということは、今日一番疲労してても、おかしくないのだが。
「でも、別にそれほど体力を使ったわけじゃなかったしね。平気だよ、ありがとう。」
「そう?」
「まあ、昨日のことを振り返る間もなく、今日ももう行動しなければなりませんからね。」
「そうだな。まあ幸い、体力的に一番弱い春日も元気そうにしているから、スケジュールに問題はないだろう。」
「・・・おや?そういえば春日さんはどこへ?」
「あっちだ。」
柳生が目を向けると、紫希の右隣には丸井が居て、左隣には紀伊梨が居る。
「それで、多分この辺りで食事ができるので、終わったらこっちの方へ行って、」
「OK。じゃあその後こっち行って、」
「ねーねー!駅は駅は?あのーえー、えーと・・・何とかの3番線!」
「3番線?」
「9と3/4番線ですか?あれは、本物のキングス・クロス駅にあるので、こっちには無いんです。」
「全然違うじゃねえかよ。」
「だって映画見たの大分前なんだもーん!」
「話しぶりからすると、今日はこちらについてくるのですか?」
「らしいな。まあ、別に構わないだろう。特に今日の予定地はな。」
「まあ確かに、居られて困ることはありませんからね。ということは、仁王君と桑原君もこちらへ同行しますか?」
「あ、いや・・・俺達は、幸村達のグループに混ぜてもらうつもりでいるんだ。」
「む?そうなのか?いや、構わんが。」
「こっちの方がお守りする人数が少なくて済むき。」
「お前はどうせ何もしないじゃないw」
「プリッ。」
「カーラ、君はどうする?」
「どっち行っても良いよ。私ら今日はこれから、ナショナル・ギャラリー行くけど。」
カーラはしばし無言になった。
迷っているのだろうか。
ただ、結局カーラはカア、と一声鳴いて、紫希と紀伊梨が居る方のグループに向かったのだった。