3「・・・・・」
幸「千百合、どうしたんだい、なんだか考え込んだ顔をしてるけど。」
3「精市。別に大した事じゃないっていうか、今やってるドラマが。」
幸「ドラマ。」
3「兄貴が見てたからなんとなく横目で見てたんだけど、続きが気になって。」
幸「珍しいね、千百合がドラマにはまるなんて。どんな話だい?」
3「えーと・・・取り敢えず主人公の男子以外皆病んでる。」
幸「・・・ん?」
3「母親は死別で居なくて、父親は奥さんの死後病んでいるせいであまり主人公に構わなくて。でも、主人公が預けられている親戚の女性も、学校で仲の良い友達も、転校生も、先生も、皆病んでる。」
幸「うん・・・」
3「でも主人公のおかげで皆それぞれの問題が段々解決していっていた矢先に・・・」
幸「矢先に?」
3「それが昨日放映された分だったんだけど、主人公の恋人が自殺を図って、今にもビルから飛び降りそうで、主人公は間に合いそうにない。」
幸「・・・・・」
3「あー、折角上手くいきかけたのにな。信男が母親の死を乗り越えられたのに、それなのに肝心の玲奈が自殺とか・・・信男は結婚まで考えているのに、どうしてこのタイミングで玲奈は何もかも嫌になったりなんか・・・」
幸「ねえ。」
3「ん?」
幸「ドラマの話だよね?」
3「そう。」
幸「凄く暗い話に聞こえるんだけれど、面白いのかい?いや、展開が凄い事は分かるんだけど。」
3「ああ、まあ。一応世間的に人気はあるし。」
幸「そうなんだ。」
3「あとまあ、私は少なくとも面白いよ。確かに暗いけど、こう・・・」
幸「こう?」
3「・・・なんというか、両親が居ないも同然で家族も他に居なくて。」
3「友達は頼りにならないわ、大人もアテには出来ないわ。」
3「恋人はうじうじしてて何も出来ないお人形さんみたいで、自立とは程遠いメンヘラだわ。」
3「今の自分と色々縁がなさそうな事ばっかり起こるから、ここまで感情移入出来ないと逆にそれがクセになるというかね。」
幸「成る程。別世界を見てる感じがして、それが面白いんだね。」
3「ま、そんな感じ。」
幸「でも、そういう展開なら主人公はかなりの働き者だね。」
3「まあね。清涼剤的な存在ではあるかな。」
幸「主人公人気も凄いんじゃないかい?」
3「ああ、それはそう。主人公はぶっちぎりの1番人気。かっこいい、とかって。」
3「まあ私は、気持ちの良いキャラだとは思うけどかっこいいとはそこまで思わないけど。」
幸「そうなの?」
3「別にかっこ悪いとは言わないけどさ。」
3「特別かっこいいかって言われたら、精市の方がよっぽどかっこ・・・」
幸「・・・・・」
3「・・・・・」
幸「良いよ、最後まで言ってくれなくても。」
3「・・・・ソウデスカ。」
(私の感性には貴方だけが)
(俺も、女優さんやアイドルを見ても同じ事を思うからおあいこだよ。)
(慰めになってない!)