Booty 2 - 3/9


「・・・おい。」
「・・・・」
「おい、侑士!」
「・・・ん?ああ、岳人。どないしたん。」
「こっちの台詞だぜ・・・」

現在、水泳大会はもう開始している。
折角プールそのものが広いのだしという事で、レーンの2/3は競技に使用されている真っ最中だが、残りは調整用として自由に泳いで良い事になっている。

勝負はまだ後の方とはいえ、練習出来る状況なのだから練習するべきではと向日は思うのだが、忍足自身はと言うと競技用のレーンを見つめるばかりでいっかな自主練しようとしない。

「泳がねーのかよ?」
「まだ。あんまり泳いでばっかりおってもばてるで。」
「そうだけど・・・つーか何見てんだ?」
「あの。」
「?」
「あの人、水泳部の人らしいねん。」
「はあ・・・?」
「せやからイメトレ。」

(マジかよ此奴・・・)

自分の広い交友関係の中で、向日は別クラスながら「忍足がイメトレに勤しんでる」と聞いていた。
だが実際こうやって見てみると、イメトレって言うか現実逃避って言うか、他に何かもうちょっと出来る事無いのかよと突っ込みたくなってくる。普通こう、こんな状況になったらほぼ無駄なあがきと分かっていても慣らしに泳いだりするもんじゃないんだろうか。少なくとも自分ならそうするけど。

「・・・まさか、自棄になってねーよな?」
「岳人は俺が自棄になるような性格に見えてるん?」
「見えてねーけど。・・・何か手伝うか?出来る事あるのかわかんねーけど。」
「ああ、ほんなら俺、スイミング習った事ないねん。って、友達か誰か興味のありそうな人に言うといてんか。」
「は?」
「あかん?」
「いや、駄目だとか駄目じゃないとかじゃなくて!」

スイミング習った事ないのは事実なのかもしれない。
でもなんでそれを今言うんだ、今。

「図に乗るだろ向こうが!調子づかせてどうすんだよ!」
「ええねん。朝ちょっと脅かし過ぎたさかい、バランス取らな。」
「バランスとかいう問題じゃ・・・おい、侑士!?」
「そろそろ泳いでみるわ。」
「ちょ、ちょ、おい・・・!」