「松風さん・・・・」
「はい?」
「あの・・・何を・・・」
「いえいえ、お気になさらず。」
そんな事言われたって気にしないほうが難しい。
松風は近辺の地図を開いて、なんだか振り子のようなものをしきりに翳しながらスマホに何か打っている。
「あの!もしかして生徒たちに何かーーー」
「いえいえ、安全ですよ。ただ、難航しているようなので少々お手伝いを。」
「あ、そうなんですか・・・それは有り難いです。」
「いいえ、大した事では。」
そう。幸村の推測は当たっている。
慎重派の幸村なればこそ「油断しちゃいけない」「あまり侮るのも厳禁だ」と考えているが、正直精霊のことを知り尽くしている松風としては怯えるような事などどこにもないのだ。
ただ、友達を心配して奔走している生徒達に敬意を表し、手伝っているだけ。
手伝いが必要だとは松風は微塵も思っていない。
あんなに恐れられて良かったな、珍しく精霊扱いされてるじゃないかとさえ思っている。
「・・・昔はこうじゃなかったんだろうに。」
「はい?」
「え?」
「昔がどうかしましたか?」
「ああ、いえ。ちょっと昔の話を考えていまして。私事です、お忘れを。」
「そうですか?」
「ええ。」
なんて言ってる間に、ダウジングのガラス玉が引っ張られた。
居る。
3丁目の通りだ。