「では、これにて今日の練習は終了だ。解散!」
「はあ・・・あああ・・・・」
跡部の解散の号令を聞いて、可憐は溜息とも嘆きともつかない声が口から洩れた。
「よ。」
「あ、宍戸君・・・」
「どうしたんだよ、口から心臓出そうみたいな顔して。」
「ああ、当たってるかもそれ・・・」
「可憐ちゃん。今日のスコアやねんけど・・・可憐ちゃん?」
「忍足君・・・」
「どないしたん?顔色悪いで?」
「違うのちょっと、明日のことで・・・」
「「明日?」」
顔を見合わせる忍足と宍戸。
明日というと。
「「関東大会?」」
「言わないでっ!もうその単語を聞いただけでドキドキするのっ!」
今まで地区予選、都大会と軽快に勝ち抜いてきた氷帝学園テニス部だが、比較的跡部や網代に近い所に居る可憐はなんとなく空気で察している。
関東大会は今までのようにはいかない。
「逆に2人はなんでそんな落ち着いてるのっ?」
「そんな事言われてもよ。」
「なあ。言うて俺ら出えへんし。」
「それこそ、なんでお前は出もしないのにそんな緊張してるんだよ?」
「だってだってっ!もし負けちゃったら・・・」
「今更ジタバタしたってしょうがねえだろ!」
「そうなんだけどっ!」
「気持ちはわかんねんけどな。」
此処からがいよいよ大舞台なのだ感は忍足と宍戸にもある。
ただ可憐と違ってずっとテニスやってきた2人にとっては、ある程度体で慣れたプレッシャーなのだ。
「慰めになるかわからへんけど、ある程度勝ち進んだら全国までは行けるさかい。」
「その言い方も駄目だろ、激ダサだぜ!挑むからには一番を狙っていかねえとな!」
「まあ少なくとも跡部はそうやろな。優勝狙わへんでどうすんねん、いう考え方やろ。」
「優勝・・・優勝かあ・・・」
関東大会優勝。
その為には、ほぼ絶対立ちはだかってくるであろうぶ厚き壁を崩さねばならない。
もう何年この地方の大会に君臨しているか分からない絶対王者。
立海大学付属中学校である。