First region competition:Second round - 4/9


「へえ!じゃあ君達は立海の生徒なんだね?」
「そ。」
「でも、それならもっと胸を張って良いのに!優勝候補なんだからさ♪」
「そうなんだけどさw」
「私達、テニスのことはそんなに詳しくなくて・・・」
「それにゆっきーって昔から凄い凄いって言われてるしなー!」
「あはは・・・言われ過ぎてて新鮮味もないって感じ?いやあ、やっぱり凄いな王者立海のレギュラーは。」

4人は千石と2回戦のコートへと向かっていた。
向かうと言ってもまだまだ時間があるので、日陰のルートを選びながら、のんびりだらだらだ。

試合開始まではまだ時間がある。
それは選手達も同じで、千石のように準備の終わって手が空いている者は、思い思いの場所に散って思い思いに過ごしていた。

ウォーミングアップする者。
リラックスする者。
頑張ってるんだろうけど、どうも緊張が抜けてなさそうな者。

明らかにこっちを睨み付けている者、など。

「え?」
「ん?」
「?」
「おや?」
「誰ー?」

ちょっと離れたところにいた彼は、5人が気づいて立ち止まると、視線の鋭さはそのままに近づいてきた。

着ているジャージ。

(城成湘南かーーー)

「おい。」
「・・・何。」

こっち全体を睨んでるのかと思ったが、近づくと違うとわかる。
千百合だ。
彼は千百合を睨んでいるのだ。

「お前、黒崎千百合だろ。」
「そうだけど。」
「話があるから来い。」
「は?嫌。」
「はあ!?」
「いや、なんでお前の言うこと聞かなきゃいけないんだよ。あほらし。」

「まあ正論は正論なんですけどねw」
「い、良いんでしょうか・・・ああでも、ついていくのも危なそうですし・・・」
「む!こないだはせんせーで、今度は選手の人かー!」
「え?何?何かややこしい話?かな・・・?」

千石は勿論、指名を受けた千百合とても何用で呼ばれるのかさっぱりわからない。
ただ、こっちに関わる話なら、華村が自ら来るなり華村の名前を出すなりするだろう。それのどちらでもないということは、つまりそういう事。

「行こ行こ。無視無視。」
「えええ!?あの、俺が聞くのもなんだけど、良いの?」
「良いよ良いよ、行こ行こ千君!千百合っちを引き抜きに来たんだよ、お話聞いたら連れてかれちゃうよ!」
「するかよ馬鹿!」
「そんな事言ったってw」
「あの、せめてどういうお話をしたいのかだけでもここで・・・」

紫希の言葉にぐ、と詰まる少年。
自分の誘いが怪しいことに自覚はあるのだろう。

「・・・別に殴ったり脅したりしねえよ。連れてった先でリンチとかもする気もねえし。なんなら、そこの。棗とかいう兄貴連れてきても良いぜ。」
「え、嫌。此奴を連れてくとか連れてかないとかじゃなくて、単純に嫌。面倒だし。」
「~~~~~!お前なあ・・・」
「行ってやったらw可哀想じゃないw」
「えー。」
「誰が可哀想だよっ!」
「まあまあwお互い気持ちはわかるけどさ、もし本当に話だけしたいんなら聞いといた方がいいじゃんw特に妹、お前はこれから賭けに出るんだから情報を捨てるような真似はせん方が良い。」
「・・・・・まあ。」

それはそうかもしれないけど。
でも怠いんだけど。
ただでさえ怠いのに。
でも兄の言うことも正しい。

「えー!良いよ行かなくてー!千百合っちが行っちゃうのやだよー!」
「あの、私達もついて行っては駄目ですか、」
「まあまあ、落ち着いて。君も手荒な真似はしないよね、そうだろ?ジャージ着てるから所属がわかっちゃうし・・・」

千百合は大きな溜息を吐いた。
ああもう嫌、面倒くさい。
幸村が絡んでさえなければ、絶対応じないのに。

「・・・シングルス始まるまでに話し終えなかったら殺すからな。」
「・・・分かってるよ。」