一方、氷帝学園もD2の試合が始まっていた。
始まっていたが、可憐は正直それどころではなかった。
「日吉です。」
「鳳長太郎と言います。よろしくお願いします。」
「ええと、桐生可憐ですっ!よろしくお願いしますっ!」
今朝網代の言っていたお客さん。
見学に来た後輩について面倒見てやれと言われて、運動公園入り口で出迎え中の可憐だが。
(な・・・なんだか2人とも、すごく落ち着いてないっ!?堂々としてるっていうか、年下とは思えないんだけどっ!)
本当に後輩なのだろうか。
なんというか、年下につきものの初々しさみたいなのが殆ど感じられないのだが。
まだ鳳の方はそんな雰囲気がしなくもない。
緊張よりも、これから見学できるんだというわくわく感のような物が先立っているだけで、性格的には素直且つ素朴そうな感じがする。
しかし日吉の方はまるで正反対。
物怖じしてないを遥かに通り越して偉そうというか、お前なんか偶々早く生まれただけだろ的なふてぶてしさを感じる。
「ええと、2人とも今日は暑いところを来てくれて有難うっ!熱心な子が来てくれて、とっても嬉しいよっ!」
「いえ、そんな!俺達の方こそ、忙しい中時間を取って貰って、有難うございます。」
「有難うございます。」
「うんっ!えっとじゃあ、コート近くにに見学スペースを用意してあるからついてきてっ!」
「「見学スペース?」」
「うんっ!2人が来るから、特別に空けておいたのっ!」
「そんな事までして頂いたんですか?」
「別に構いませんよ。子供じゃあるまいし、わざわざ指定席作って貰わなくたって。」
「うん・・・・作らなくて済むならそれで良いんだけどね・・・」
「・・・なんですか、その含みのある言い方は。」
「・・・行ったらわかるよ。」
「「?」」
日吉は知らないのだ。
まあこれに関しては百聞は一見に如かず。
口で言うより見た方が早いと判断した可憐は、早くコートに行こうと若干足を速めた。
「じゃあ行こっかっ!こっち・・・きゃあっ!」
「!?大丈夫ですか!」
「だ、大丈夫、ごめんねいつもの事だから、気にしないでっ!」
「はー・・・・」