その頃立海はD1でしっかり勝利を納め、氷帝より一足早くS3が始まろうとしていた。
そう、S3。
幸村精市対平川貴也の試合だ。
「あ。」
「あー!今朝の人ー!」
「平川だw彼奴マジでS3なんだw」
(・・・これは、もしかしたら楽させて貰えるって事になんのかな。)
平川は、幸村側からスカウトの話を蹴って欲しいと思っているはずなのだ。
ということは、此処で負けておいて、城成湘南なんて弱いですよ、お前なんか来るところじゃないですよ、とアピールしておいた方が平川的には得なはず。
(いやでも、ここで負けると彼奴自身の評価が下がってレギュラー降ろされかねないか。それなら勝つ気でかかってくるかな。)
まあ勝つ気で居るのと勝てるのとでは全然違うので、こう言っちゃなんだが正直平川が勝てるなんて思ってないが。
でも少なくとも平川はアピールとかしてこないだろうしなあ、と千百合は若干気の抜けた思いでS3が始まるのを見守る。
「良いわね、平川君。」
「はい。」
「今の段階で幸村君が出てくるのは正直想定外だったけれどーーでも君ならやれるわ。コーディネーションの方もほぼ完成しているし。それにこの前教えたショットも、もう身についている。落ち着いて全力を出しなさい。」
(嘘吐けよ。)
「・・・はい。」