Rudeness 2 - 2/8


伊丹達が目下心配しているように、桐生可憐という少女がドジをしないというのはそれはもう大変珍しい事なのである。
息をするようにドジをするから、暫く一緒に居ると皆なんとなく習慣になってきて、そろそろ何かしそうかな?とタイミングを図るようになる。

何が言いたいかと言うと、今の可憐は部でとても浮いていた。

「おい侑士、彼奴どうしたんだよ!」
「今日も転ばねえぞ、どういう事だ!」
「そんなん俺かて聞きたいわ・・・」

まるっきり似たような趣旨の会話が同時多発的にテニス部で発生していた。
忍足、向日、それから宍戸の3人は挙って可憐の心配をしてしまう。

「でもよー、彼奴の事部で1番知ってるのは侑士だろ?」
「そう言うけどな岳人。幾ら俺かて分からん事は山程・・・」

「なら、逆だ。」

落ち着き払った声が割って入った。
跡部だ。

「逆?」
「岳人の言う通りだ。部で彼奴の事を1番知ってるのは忍足。次いで網代だろうが、2人とも何も知らないときた。それなら、部の外で何かあった、と捉えるべきだ。」
「つまり、クラスでか・・・」

(まあ、他にあらへんわな)

網代の件ではないか?という考えは真っ先に忍足の頭に浮かんだ。
あの後跡部にも話を通したので跡部も同じ事を疑ったが、これは却下された。

何故かと言うと、跡部より忍足より先に可憐は網代の件を知っていたからだ。
忍足に相談をしに来た際、何時もと変わらず転けそうになっていた網代の様子を覚えている。
網代の件が理由なら、あの時点で既にこうなってないとおかしい。

「あーっ!面倒くせえな、もう本人に聞けば良いんじゃねえのか?」
「それは最終手段にしておけ。」
「なんでだよ。」
「まーまー、亮。女子は色々あるもんなんだよ。それに、本人に聞くのは俺達より適役がやってくれんじゃん?」
「・・・まあな。」

その会話に忍足と跡部は顔を見合わせた。

「「適役?」」
「「適役。」」