「それではこれより、関東大会決勝戦、立海大附属中学対氷帝学園中等部の試合を始めます!両校、礼!」
始まりの合図が告げられる。
青空に、今。
さて、今にも始まりそうなD2だが。
「あー!別の人になってるー!」
「やっぱり、準決勝での怪我の影響でしょうか?」
「だろうなあwつくづく嫌な事してくれたわ、あの先生w」
「勝てるのかなー?」
「まあ、補欠とはいえレギュラーなんだし。」
「きっと勝てますよね・・・?」
「どうだろw相手が相手だしw」
ただでさえテニスのことに明るいとは言えない4人。
テニスに詳しい人でも今年は読めないと言われる氷帝の実力に向かって、勝率の推測してみろと言う方が無理がある。
ガチで見るしか出来ないなあと諦めがついた所で、D2が始まった。
「それではこれより、D2の試合を始めます!」
と。
審判のコールがかかったところで、奇襲。
「「「「勝つのは氷帝!」」」」
「「「「え?」」」」
「「「「負けるの立海!」」」」
「え・・・ええええ・・・・」
「ちょっと。」
「マジかよw」
「おー!すごーい!」
「「「「勝つのは氷帝!」」」」
「「「「負けるの立海!」」」」
「「「「勝つのは氷帝!」」」」
「「「「負けるの立海!」」」」
「「「「氷帝!氷帝!氷帝!氷帝!」」」」
「くっそうるせえええw」
「紫希ぴょんおっきい声怖いー?だいじょーぶー?」
「だ、大丈夫です・・・」
「良いの、これ?」
「いや、ダメだろwプレイ始まったら止めるとかそんなんじゃないのかw」
「やっぱりきたな。」
桑原の呟きに、部員の観戦勢も小さく頷いた。
実は選手達側は結構落ち着いたものである。
柳が事前にリサーチしていたからだ。
「しかし、知っとったっちゅうものの。」
「実際に聞くと、すげえうるせえな。」
「これでこちらが怯むと思ってるのでしょうか。」
もしそうだとしたら舐められたもんだが、まあ実際は多分氷帝側も立海相手にこれが効くとは思っていまい。
ワンチャン効いたらラッキー、くらいの気持ちだろうが。
「ただ・・・・」
「躓くと持っていかれるな。」
柳の呟きに、ベンチに居た何人かも小さく頷いた。
「一先ず、今の時点では先輩方も平気なようだが。」
「焦ってる時にこれをされてしまうとね。集中し辛いことは間違いないから。」
そう、何もこのコールが活きてくるのは最初だけではない。
寧ろ試合の中盤以降に、その真価を発揮するとみても良いだろう。
減っていく体力、切れやすくなる集中力、劣勢な戦況。
そうなった時にこそ、この会場全体が敵に回ってるかのような空気感はその威力を見せつけてくるだろう。
まあ。
ただ、それなら。
「リードを奪われなければ良いんだけどね。」
そう、それだけ。
ただ、それだけの話。