「ゲームセットアンドマッチ!ウォンバイ立海、6-2!」
非情にも勝者と敗者を決定づける声が響いた。
関東大会決勝戦、D2。
先ず、1試合目が終了。
「勝った・・・」
「勝ったな。」
「サンキュ、マジで。どうなる事かと・・・」
「まあ、その辺は後だ。今は勝ったんだから、それで良しとしとこうぜ。」
「ああ。しかし、流石氷帝だ、強かっーーー」
「お願いです、監督!」
全員がそっちを向いた。
試合終了後のベンチ。
監督、榊の前に今しがた敗北した北野・中屋敷ペアが並んで立っている。
「出来ん相談だな。」
「そんな!俺達今までずっとーーー」
「それとこれとは関係のない話だ。お前達は今、この試合で敗北した。それが事実だ。目を背けるな。」
「背けてるわけじゃありません!ただ、」
「北野。お前は入部の際、私の方針を聞かなかったのか?
俺は敗けた者を二度使わん。最初にそう説明した筈だ。」
榊の声は観客席にも届いていた。
俄かに騒めきだす観戦者達。
「お前は今までそれに異議を唱えた事はあったか?自分が敗者になった途端ルールに不満を言い出すのは、愚か者のする事だ。」
「それは・・・・・・」
「私が今までやり方を変えた場を見たことがあるか?」
「・・・・・ありません。」
「他に言いたいことは?」
「・・・ないです。」
「そうか。中屋敷、お前も何か言いたい事があるのか?」
「いえ。ただ、北野は俺のペアですから。」
「そうか。なら話は終わりだ、行ってよし。」
ぽん、と肩を叩く相棒の手の温かさが悔しい。
もう出られないんだ。
もう二度と一緒には。
負けてしまったから。