「ゲームセットアンドマッチ!ウォンバイ立海、6-3!」
「ふい~~~!勝ったー・・・」
「テンション低いなw」
「だってー!だってだってさ、これでまた氷帝の人達レギュラー外されちゃうんっしょー!?そんなのさー・・・」
「あそこまでしなくても良いんじゃないでしょうか・・・」
「まあよそはよそでうちはうちだし。」
気分がいいこととはとても言えないが、かといって何も言えない。
言う権利がない。
それは4人でなくても、例えば立海の選手であっても同じこと。
土台他校だしというのもあるが、今この場で立海と氷帝は勝者と敗者という絶対的な立場の違いがある。
勝者だからと言ってーーー寧ろ勝者側であるからこそ口出しは出来ない。
それが敗者への餞でもある。
「負けちゃった・・・」
可憐はほぼ無意識に呟いた。
あっさり負けた。
接戦にも持ち込めなかった。
「・・・マジかよ。」
「敵わんな。」
ここにきて、認めざるを得ないことが一つ。
甘かった。
そんなつもりはなかったけれど、舐めていた。
楽勝、余裕の勝利とは思っていなかった。
それは思ってなかったけど、もっと競り合って競り合って、それで勝って負けてな展開になると心のどこかで勝手に思っていたのだ。
とんでもない。
そもそも競れてない。そこまで持っていけてない。
(こんなに違うの・・・?立海って・・・関東の王者って・・・・)
自分達だって頑張ってきた。
マネージャーである可憐はそれをよく知っている。
日差しがきつくても気温が高くても、休みだって何度も返上して頑張って頑張って、それなのに。
どうしてこんなに違うの?
どうしてあんなに早く走れるの?
どうしてあんなに強いショットが打てるの?
ーーーどうしてこんなに遠いの。
考える暇も与えられず、最早可憐には矢継ぎ早と言えるような体感スピードで次の試合が始まる。
S3。
ここで負けたらピリオドになる、S戦1戦目だ。