ドンドンドン!と腹に響く太鼓の音。
お囃子の音。
的屋の呼び込みの声。
誰かの笑い声。
小さい子供のサンダルがアスファルトを蹴って走っていく音。
夜の帳が落ちた町を明るく照らす、提灯にライトに、それから光るブレスレットや玩具の光。
今日はお祭り。
「ひゃああっほー!遊ぶぞー!」
会場入り口で紀伊梨が叫んだ。
「何か人多くない?」
「ああ、今年は花火が派手になったらしいからそのせいじゃないかな?」
「げえ・・・」
「お嫌そうですね。」
「人混み嫌い。」
「花火まで居るんか、ちいと暑いぜよ。」
「今日あっついよねー!」
「花火が始まるころには、もう少し気温は下がるのではないか?」
「とはいえ、これだけ人が居ると左程体感温度は下がらない。冷たい飲み物でも買っておけ。」
「そういえば、ブラジルって花火が凄いのでは・・・」
「ん?ああ、凄いぜ。こっちと違ってじっくり見るっていうよりこう・・・物量押しというか、とにかく派手にガンガン打ち上げって感じだな。」
「はは!すげえイメージ通り。」
「はい、ちゅうもーく!」
パンパン!と棗が両手を叩いた。
「じゃあこれから散会するけどw皆花火の時にはちゃんと集まってねw時計見るくせつけといてねw」
「おい!聞いとるのか五十嵐、お前のことだぞ!」
「えー!紀伊梨ちゃんそーゆうの苦手だよー!」
「どうも不安ですね。」
「誰か付き添いに付けとくか?ジャッカルとか。」
「俺かよ!」
「アラームしとけば良いんじゃないの?」
「時間になったら誰かが着信を入れるという手もある。」
「中1に対する心配とは思えんの。」
「まあ、備えあれば憂いなしだよ。」
「あ、あはは・・・」
「あとそれからもう一個注意というか、忠告w無理に人の間を縫って行きたいところを目指さないようにw事故に繋がりますよw」
「五十嵐。」
「う!うー・・・ごみんなしゃい。」
「む、えらく聞き分けが良いな。」
「去年やらかしてるからね、此奴。」
「何があったんですか?」
「あの、たこせんを手に持ったまま人の波に突っ込んでしまって転んでしまって・・・棗君の浴衣が・・・」
「あーあ。」
その後五十嵐家は総出で黒崎家に平謝りとなり、新しい浴衣代を献上することになった。
あんな惨事は出来れば二度も遭いたくない。
「じゃあそんな感じでw各々良識を持って行動をお願いしますねw」