Training camp – in Hyoutei gakuen -:Audience 2 - 3/5


その後、やっぱり騒がしくなりつつ、それでもどこか若干熱が冷めたようなギャラリーの黄色い歓声に囲まれながら午後練は恙なく終わり。

今は夕食。

「はあ・・・・」

可憐はぐったりと夕食を取っていた。

いつも食事の時には疲れているけど、今日はいつもの体力的な疲労感とは違う。
これは精神的な方だ。まあ体力も十二分に削られているけど。

「可憐、大丈夫か~?部屋まで行ける?」
「大丈夫大丈夫、これ眠いとかそういうのじゃない奴だからっ。」
「そう?」

いっそ眠いとかの方がはっきり解決策が見えるだけまだ良いな、と思う。
この、考え事が故の疲労感は眠った所で解決しない。

「・・・・ねえ、あかりっ。」
「うん?」
「・・・あかりは、自分が部で役に立たないとかって思ったことあるっ?」
「え、ぜーんぜん。」

金町はあっさりと言った。

「・・・そうなのっ?」
「え、だって。毎日毎日こんなに疲れてて、人足りない人足りないって言いながらカツカツで回しててさ。誰かが抜けたら困るなっていつも思ってるもん。って事は、私だって皆から抜けられたら困るなって思われてるって事でしょ?」
「ああ・・・うん、そうなんだけど・・・」

そう。
それはその通り。

可憐だってそれは自分で分かっている。
確かに網代は優秀だが、だからって網代一人だけ居れば良いとかそういう事にはならないし、網代の分身が何人も居ればいいとかいう話でもない。
皆それぞれタイプも役割も違うから組織は回るのであって、リーダーに向いていなくてもその人が役立たずだとか要らないだとか、そういう話になるわけじゃない。

わかっている。
それはわかっているのだ。

(でも・・・・・)

でも。
じゃあこの胸の焦燥は何なのだろう。
目の前の金町は全く感じていなさそうな、この自己否定感。

薄々感づいていた事ではあった。
ただ、入部した当初はほぼ感じていなかった事だし、引き換えここ最近は特に折に触れて感じている気がする。

「・・・・ご馳走様っ。」
「え、もう良いの?」
「うんっ。何だかあんまり食べる気分じゃないし・・・それよりちょっと、今はやりたい事があるからっ。」

やりたい事。
跡部を捕まえに行く事。

もっと正確に言うと、跡部に頼みに行くのだ。この判然としないもやもやを落ち着かせる、その時間を貰うために。