Sea world - 1/8


「海ヶ浜シーワールド行こっかな~?」


珍しく起きてスコア見てると思ったら、芥川はテニスと欠片も関係ないと思われることを呟いた。

「海ヶ浜シーワールド?」
「良いわね、海ヶ浜シーワールド!私も行きたいと思ってたのよ、ね。」
「茉奈花ちゃん、知ってるっ?私聞いた事ないや。」
「ああ、最近出来たばっかりなのよ。でも新しいだけあって綺麗だし大きいしで、今年の夏イチオシの水族館として雑誌とかで取り上げられてたりするの。」
「へえ・・・でも、芥川君水族館に行きたいのっ?」
「そうね、確かに。そういうの好きなのね、知らなかったわ。」
「A?別にそんなには好きじゃないよ?」
「「え?」」
「逆に嫌いなわけでもないけど、俺寝てる方が好きかな~。」
「じゃあなんでっ?」
「俺、夏休み入る前に、先生から課題渡されちゃったんだよね~。校外学習寝過ごしちゃったから、一人でどっか行ってレポート書いて来いって言われてさ~。今度さぼったら榊先生に言うからなー、って・・・」

はあ、とため息を吐く芥川。
流石にテニスを人質にされたら真面目にやらないわけにはいかない、という事だろう。そもそも最初から普通に起きて行っておいた方が楽なのに・・・と可憐も網代も思いはするが言わない。そんな程度の説得で芥川を起こしておけるのなら最初からやってる。

「じゃあ、海ヶ浜シーワールドに行ってそれのレポートを書くのっ?」
「うん!どうせどっか行かなくちゃいけないんだったら、楽C所の方が良いC。」
「・・・因みに芥川君。」
「ん?」
「誰と行くの?」


「A?一人でぶら~って行こっかな~って。」


ピキ・・・
と音が聞こえるかもしれない勢いで、可憐と網代は固まった。

一人だと。
この男を、一人で野に放って海ヶ浜シーワールドまで(そもそも大よその位置も可憐にはわからない。)辿り着けると思うてか。

「だ、誰か他に約束してないのっ!?向日君や、宍戸君や、」
「A?別にしてないな~。でも俺、一人でお出かけは慣れてるからさあ。」

芥川はソロで行動する事に気負わない。それに慣れ切っている。
別にぼっちだとか独りが気楽な一匹狼だとかそういうわけではないけど、兎に角所構わず熟睡するので、寝てる間に周りにいる人が変わっていたり、いつの間にか一人になっていたりするから、一人を厭うていたら生活できないのだ。今も結構ギリギリなのに。

「でも、」
「よし、わかったわ!」
「・・・茉奈花ちゃん?」

「皆で行きましょう!」

真面目が半分、口実が半分な目で網代は言った。