Training camp – in Irupinet Hotel -:Travel companion - 4/7


「ふあ~あ・・・」

丸井は起きた。

ここは住良木旅館・・・じゃない。

イルピネットホテル。
グレードはそこそこなビジネスホテルである。

「はよ、ジャッカル。」
「ああブン太、おはよう。」

隣のベッドでは、一足早く起きた桑原がストレッチをしている。

「あーあ、腹減った。」
「朝飯行くか?」
「おう、ちょっと待って。」

洗顔が先だ。
寝起きでもふらふらはしない丸井は、パジャマ代わりのジャージ(部活ジャージじゃなく私服の物だ)のまま洗面に行く。

(今日も晴れてんなー。)

此処は6階なので、割かし見晴らしは良い。こういう所は温泉より良かったけど、まあ合宿で風景がなんだみたいな話をしてもとも思う。

立海テニス部は、当初住良木旅館とその近辺の大型コートにて合宿を予定していた。
が、なんと直前になってゲリラ豪雨とそれに伴う落雷のために電気系統が故障し、休館を余儀なくされて行けなくなったのだった。

その為テニス部も大慌てで別の合宿所を探し、今いる場所に落ち着いた。
幸いデータマンの柳が、ささっと次の候補地として良い場所を探してくれたので、比較的すぐ予定は組みなおせた。が、当初よりコートは良いものになり宿のグレードは下がったので、どちらかというとキツい方向に修正されたことに落胆するものも少なくない。

まあ丸井と桑原はその中でもあまり気にしてない方ではあるが。
丸井は御飯がお代わり自由なら他はそれほど拘らないし、桑原は旅館からビジネスホテルに変わったことで、合宿費の差額が浮いてラッキーと思っているくらいである。

「そうか、今日からか。」
「ん?何が?」
「いや、五十嵐が今グループLINEにな。ほら、ビードロズも合宿するだろ?」
「・・・・・」

そういえば。
いや、ビードロズも合宿すると聞いてはいたけど、紫希はどうするんだろう。
合宿となると四六時中ずっと紀伊梨や千百合と一緒だと思うが、キーボード持って来てるんだろうか。

(でもなー。合宿ってやっぱり時間めいいっぱい使って練習出来る機会なんだし、それでキーボード取り上げられんのは痛いだろい。でも、じゃあどうやってって話にもなるし・・・)

棗に何か上手くやる算段とかあるんだろうか。
いや、さしもの棗でもこの状況は辛かろう。

(・・・持ってこれてると良いけどな。)

「ブン太?」
「え?」
「え、じゃなくて。どうしたんだ、急に黙って。」
「いや、ちょっと。飯行こうぜ、飯!」
「ああ。」

部屋を出る前に、丸井は一度振り返って外を見た。

ああ。本当に今日もよく晴れている。