First RAINBOW FESTA:Evaluation - 2/7


一人になったのは、紫希の考えだった。

リーダーの紀伊梨はじめ、木崎は基本性格がアレなので、皆で居る場で謝らせた方が良いじゃんというのが皆の意見だった。
確かにそれも一理あるし、そもそも人見知りなので誰かに付いて来て欲しい気持ちもあったが。でも大勢ぞろぞろ一緒に居たら、その分だけ木崎は恥をかいたとか、よってたかって虐められてるみたいな気になって謝りにくくなるだろう。というのが紫希の意見だった。

というか寧ろ、紫希的には謝罪してくれなくても良いまであった。気にはしてるし悲しいけど、別に怒ってるわけじゃない。

ただ、それはそれとして個人的に言いたい事もある。

「ええと・・・ああ居た。春日さん。」
「あ、はい・・・」
「約束通り、つれてきた。謝らせるよ。」

ほら、と言って背中を軽く押されるように叩かれる木崎。

凄い不服である。
それを隠そうともしない。
そもそも人に謝罪とか大嫌いなのだ。

でも、謝らなかったら鳳にそれが伝わるかもしれない。
その一心で、木崎は紫希を睨みつけながら顔を上げる。

「・・・・・い。」
「え?」
「聞こえるように言え、もう一回だ。」
「・・・ごめんなさい!」

(どういう状況なんでしょう、これは・・・・)

謝りたくありませんオーラをこれでもかというほど出しながら、それでも木崎は謝罪を口にしている。どうやったらここまで言うことを聞かせられるのだろうか。紫希はそっちが気になって仕方がない。

「態度が悪い。もう一回。」
「はああ!?何よそれ!態度とか知った事じゃーーー」
「ま、待ってください!もう良いです、良いですから!今のごめんなさいで、もう十分ですから・・・・」

ふん、と木崎は鼻を鳴らした。

「はいじゃあもうお終いね。私帰る。」
「あ、あの、すいません、それはそれとしてちょっと聞いて欲しい事がーーー」
「はあ!?私急いでんだけど!!」
「木崎。」
「あ、あの、お急ぎなら良いです、ごめんなさい・・・・」

紫希が言うが早いか、木崎は脱兎のごとく駆け出した。

その後姿を見ながら、芹沢ははああ・・・と大きな溜息を吐いた。

「あの・・・芹沢、君?」
「ん?ああ、うん。俺、芹沢。」
「有難うございます、お忙しいのにわざわざ・・・」
「ああいや、良いんだ。それはもう、うん。」

どうせ最後だし。
最後だから今までの意趣返しとばかりに好きにやってるだけだし。

「それより、彼奴に言いたかったことって何?何なら、後からでもメンバー伝いに言うから、良かったら。」
「あ!ええとそれじゃあ、その・・・これは私からというよりビードロズからなんですけれど、9月になったらうちの学校で文化祭がありますので、もし良ければいらして下さい。」
「・・・・わ、かった。伝えておくよ。うん。」

多分来ないと思うけどね。
とは芹沢は言わないでおいた。
来たとしても笛寺だけだろう。沖野は出不精だし、木崎は土台あんなだし。

「ああでも、俺も気が向いたら行こうかな。君たちの演奏、凄く良かったから。」
「!本当ですか?有難うございます!そちらの・・・ツクヨミの演奏も凄く良かったです。また聞かせてくださいね。」
「・・・・・・・」
「・・・芹沢君?」
「!ああ、ごめん!うん、そうだね、うん。うん・・・・」

自分、もう抜けるけどね。
とは言わないでおいた。
そんなん言われても、紫希としてもいい迷惑だろう。なんて返せって言うんだ。

「ええと、ごめん話を戻すけど。文化祭来てね、ってお誘いを受けたよ・・・って言っておけばいいって事かな?」
「はい。よろしくお願いします。

・・・・それから、これは私の個人的な話なんですけれど・・・」