First RAINBOW FESTA:Remain - 5/5


「はい、これ!これがバスタオルで、これがフェイスタオルな。」
「あ、ど、どうも!おおきにありがとうさん!ははは、はは・・・」
「ほんなら私もう入ってもうたし、ゆっくり入っておいでな~。」
「は、はーい・・・・」

忍足謙也。
彼は従兄弟の忍足侑士と違って、ポーカーフェイスがウルトラ苦手である。

絶対に普通の挙動が出来ていないであろう自分に、何も触れることなく普通にしていてくれる従兄弟の恵里奈に謙也は感謝した。

「はあ・・・・」
「ほんで?」
「へ?」
「何なん。」
「何て・・・」
「何や知らへんけど、言いたい事あんねんやろ?」

今此処にいるのは忍足の自室。
さっき恵里奈も退室した。2人しか居ない。

「可憐ちゃんと喧嘩でもしたん?」
「え!」
「ちゃうんか。会うたんやろ?」
「・・・あのー、因みに、なんでそう思うんやろかなー・・・なんて・・・」
「誰でもわかるわ。直前まで皆で合流しよしよ言うて勢いのええLINE送ってきとった奴が、いざ合流したら一人抜けとってしどろもどろやねんで。」
「うぐ!ま、まあ確かにそれを言われるとぐうの音も出えへんっちゅー話なんやけどやな・・・」
「もっと言うとやねんけど。」
「おお・・・?」
「LINEの既読がさっきからつかへん。」
「・・・・・」

謙也は文字通りぐうの音も出ない。
そりゃあそうだ。可憐の心情を思えば、忍足からのLINEなんて怖すぎて見られないだろう。
しかし当の忍足はそんな事意にも介さず話を進める。

「常にスマホ見てるわけやあらへんにしても、見てなさ過ぎるわ。何かあったんやろ。何や。」
「・・・なあ、お前何や怒ってへん?」
「まあ正直、多少苛ついてはおるで。」
「・・・何で?」
「そらそうやろ。基本的にこういう状況になってもうたら、お前が何やしたんちゃうかて思うのが普通や。可憐ちゃんは多少抜けとるとこもあるけど、人に喧嘩売るタイプやあらへんし。」
「お前・・・」

誰のせいでこんな言いにくそうにしてると思ってるんだろう。
お前のせいでありお前のためなのに。

ああ、何かそれこそいらついてきた。
そもそも自分はこういうまどろっこしい状況苦手なのだ。長時間座して待つというのに耐えられない。

謙也はボス!と音を立てて部屋のベッドに腰かけた。

「・・・あのな、侑士。」
「何や。」
「俺もうのろのろすんのん嫌いやから聞いてまうねんけどやな。」
「何やねんて。」

「お前今日、会場で彼女とキスしてへんかったか?」

ああ聞いてしまった。
もう聞かなかった事に出来ない。どんな答えでもだ。

嫌な汗をかく謙也は気づかない。
それと可憐が一人で帰ったことと何の関係があるのか、と聞かれた時の言い訳を自分が今持っていないことに。