First national convention:Player of S3 - 4/6


一方ビードロズは、試合の再開を気を揉みつつ待っていたが。


「おい、本気か!?」


いきなり立海ベンチ側から聞こえた大声に、4人は肩を震わせた。

「おおお!?え、何々どったのどったの!?」
「な、何か揉めてるんでしょうか・・・」
「え、何?怒られてんの、まさか。」
「いや、声音的に怒ってるっていうよりびっくりって感じだと思うけどw」

まさか幸村に限って、怒られるような事を言い出すとは考えづらい。
それにしても、何でもってそんなに人を驚かしているのかは知らないが。




「確かに時間はかかりますが、現状これが最終的には最短の攻め手かと思いまして。」
「そりゃあまあ、出来ればそうかもしれないけど・・・」
「真っ向勝負でも良いのではないか?」
「うん、俺もそう思うよ。だからこそというか、ほぼ真っ向勝負ではあるんだ。どうせ正面突破するなら、もののついでっていうだけだよ。」
「む・・・確かに、そうとも言えるか。」
「いや・・・そうは言うけどお前・・・」

もののついでってレベルじゃねえぞ、と内心で呟く副部長の東雲は、そろそろこの神の子の思考についていけなくなってきた。
思いついたからってそんな事、普通はやらないというか、普通は出来ない。

「柳はどうかな?データの採取に支障はないかい?」
「・・・俺としては、寧ろ有難いくらいだが。」
「そう、なら良かったよ。」

ただそれはそれとして、本当にその作戦で行くのかと柳でさえも思う。
いや、効果は上がると思うけど。ただ、出来ると踏む方がおかしいくらいの作戦なのだが、良いのかそれで。

と思っているのは別に柳だけじゃないが、最早誰も何も言わない。
幸村がすると言ってるのだから、するんだろう。ならそれで良い。

皆の期待・・・勝つことへの期待というより、本当にそんな芸当を見せてくれるのかという期待を背負って、幸村はコートへと再び舞い戻った。

「プレイ!」

「おう、続きと行くか。」
「はい、是非。」

犬養の表情は余裕のまま揺らがない。

さっきのアウトで、自分の戦法が効いているのを確信し。
そしてその上で、抗う術もないと確信しているのだ。

気持ちは分からんでもない、と幸村は思う。
それこそ決め球があったりだとかそういう選手ならいざ知らず、今の幸村のプレイスタイルにおいて犬養のこの戦法で向かってこられると、多くの場合歯が立たないだろう。

ーーーーそこが狙い目だ。

「・・・はっ!」

試合が再開した。