First national convention:Nomal condition - 3/7


そんな状態で迎えた試合開始。
初戦、D2。

この試合の総括、まあ端的に言うと。

「ええ試合やな。」
「えっ!?」
「うん?」
「ど、どこがいい試合なのっ!?負けちゃってるよ、こっちがっ!」

惨敗・・・とは言わないが、競り負け気味である。
これは多分、負ける。ぎりぎり負ける、みたいな結果になるだろう。

慌てふためく可憐とは正反対に、忍足は非常に落ち着いた涼しい顔で試合の成り行きを見ている。




そしてそれは、跡部も同じだった。

(ほう。負けそうではあるが、思ってたよりやるじゃねーの。これで最悪の事態は回避できるな。)

今回の試合。
最悪というのは、ただ単に負けを指すわけではない。

勿論負けるのも良い事では決してないのだが、負ける時は負けるでどうしようもない。
此処は全国だ。ぶつかって負けることだってある。

それよりも最悪なのは、「勝てる試合を落とす事」である。

いつもの調子が出ていれば勝てたのに、パニックになっておろおろした挙句負けましたなんて、そんな事になったら目も当てられない。
単なる負けじゃない、部全体の士気に関わる敗北だ。例え練習試合で何勝していても、公式試合で勝てなければ結果にならない。

新しいD2のペアは、かなり善戦している。
負けそうではある。でも、普段通りのプレイがちゃんと出来ている。

これはとても大きい事ーーーパニックのままどさくさで白星を得るよりも、もっともっと意義深い事なのである。


「ゲーム八幡北学園!5-4!」


ゲームは劣勢のまま進んでいく。
ギャラリーは兎も角、新しいD2のペアの目つきは冷静だ。

そうだーーーそれで良い。

跡部は小さく、誰にも分からないくらい、ほんの僅かに頷いた。