全国大会、2日目。
今日も今日とて多忙を極める氷帝マネージャー陣を、遠くからじっと見つめている一人の少女が居た。
「・・・間違いない。見つけたわ・・・」
ぎ、と歯を食いしばる音がする。
こんな所で見つけるなんて。
「許せない・・・!」
許せない。
逃がさない、絶対に逃がすものか。
(捕まえるまで、私は・・・!)
「わっ!?」
「え?きゃあ!」
ぐい、と少女は急に何かに背を押されたような感じがした。
そ
可憐の運んでいたドリンク用のタンクが、背中にぶつかったのだ。
「いたたた・・・」
「ご、ごめんなさいっ!大丈夫ですかっ!」
「大丈夫じゃないわよ、気を付けてよね!まったく、怪我でもしたらどう責任を取ってくれるのよ!」
「!」
可憐はちょっとカチンときた。
確かにぶつかったのは可憐の方だが、そもそも此処は氷帝マネージャーが居ていいゾーンなのであって、部外者は原則禁止である。
ちょっとそこに居るくらいなら誰も何も言わないが、本来うろついていて良い筈のマネージャーに向かって、何すんのよ等という権利はこの少女には無い筈なのだ。
「桐生さん!ボールなんだけど、こっちの方に・・・あれ?その子・・・・」
「あ、落合先輩っ!」
「!私、失礼するわ!さよなら!」
「えっ!?ちょっとーーーええええ・・・・!?」
まあ。
別に良いといえば良いんだけど。
「・・・誰なの、あの子?」
「分かりませんっ。ぶつかっちゃったんで、咄嗟に謝っちゃったんですけどっ。」
「うーん・・・氷帝生かしら?それでも見たことないけれど・・・」
「偵察でしょうかっ?」
「それはないと思うわ。偵察にしちゃあ、見てるところが余りにも変よ。」
「確かに・・・・」
この辺をうろうろしているのは、主にマネージャーである。
偵察なら、選手の動向を見ていないとおかしい。マネジの動きなんか見た所で、ほぼ何の参考にもならないだろう。
「まあ良いわ。今もう居なくなったわけだし、気にしない事にしましょ。」
「はいっ。」
そう、可憐達だってそれどころじゃない。
今日は3回戦。それを勝ち抜けば準決勝だ。