もう決勝である。
わざわざ情報を収集しなくても、もうお互いの対戦相手は見えていた。
「ここでも相手が知り合いとはねえw」
「世間狭すぎない?私最近すごい思うんだけど。」
「謙ちゃんとヒト君出るかなー?」
「どうでしょう、まだ1年生ですから・・・って、幸村君達もそうですけれど・・・」
熱気あふれる空気の中、立海ベンチでは極めて冷静な号令がかけられていた。
「いよいよ決勝戦だけど、まあ言うまでも無いと思うけど、一番いけないのは浮足立つ事だ。いつも通り。いつも通りやれば優勝できる。行こう。」
「「「「「はい!」」」」」
そしてそんなベンチを、対抗位置のベンチの渡邊は横目で見ていた。
「・・・・・・・」
「オサムちゃん、そろそろ・・・」
「ああ、せやな。よし、ほんならお前ら、行ってこい。」
「「「「「「はい!」」」」」」
「それではこれより、全日本中学テニス選手権大会決勝戦、立海大附属中学対四天宝寺中学の試合を執り行います!両校、礼!」
お願いします、の声が夏の空に響く。