「お姉さん、何かミステリアスな人だったねー。」
「本当本当!大人~って感じで!」
「やっぱ忍足君と似てたよね。」
そうやって話し合いながら、可憐はマネージャーの友人たちと歩く。
いや。一緒に歩いていても、会話が盛り上がっていても、可憐は黙っている。
「ねえ、可憐はどう思った・・・可憐?」
「・・・えっ?あ、な、なあにっ?」
「どうしたの?」
「あ!もしかして、さっき苦手って言われたの気にしてる?」
「ち、違うよっ!そうじゃないよっ!」
「でも何か変じゃない?」
「どうしたの?」
「・・・・あの、言って良いですか・・・実はその・・・」
「もしかして手洗い?」
「落とし物?忘れ物?」
「ち、違うのっ!実はその・・・足が痛くって・・・!」
「「「「え?」」」」
「わ、私下駄履いた事ないのっ!折角だしと思って、サンダルじゃなくて普通に普通の下駄買っちゃってっ!」
そう。実は可憐は、足が痛いのを我慢していた。
それこそ、家を出た時から既に、ちょっと痛いとか思っていた。
でも、きっと普段履かないから慣れてないだけだと思い、痛みを違和感だと思い込んだ結果、時間が経つにつれてどんどん痛くなってきて。
さっきのたこ焼きの時は座っていたからずいぶん楽だったが、もう限界である。
「え、見せて?どこ?」
「ここ・・・・」
「うわ、痛そう!」
「赤くなってんじゃん!うわー、完璧靴擦れっていうか・・・」
「え、どうしよこれどうしよ?」
「どうしよったって・・・」
「き、気にしないでっ!私ちょっとその、その辺で休んでるからっ!」
「いやそういうわけにもいかないでしょ!」
「でもこのまま歩くわけにもなあ・・・」
「確かにね・・・えーと?靴擦れの時の対処法・・・・」
「由美、どーお?」
「えーと・・・急場を凌ぎたい時には、絆創膏!」
「「「「ああ!」」」」
「ってわけで、誰か持ってる人!」
「「「「・・・・・・」」」」
「・・・そっか!」
「な、何か今・・・」
「女子として、マネージャーとして、どうなんだろうって気持ちが・・・!」
そういえば紫希は初めて会った時、全く偶然だったにも関わらず救急セットをさっと出してくれたっけ。
「でもまあ、絆創膏ならコンビニに売ってるし!」
「そうそう!誰かが買いに行けば、」
「わ、私が行くよっ!」
「え、いやいや痛いんでしょ?」
「で、でも私が使うんだしっ!それに、コンビニに行くくらいまでなら歩けるよっ!貼っちゃえばもう、そこから先は幾ら歩いても大丈夫だしっ!」
他4人は顔を見合わせた。
不幸中の幸いと言うべきだが、確かにコンビニはかなり至近距離なのだ。ほぼ真隣と言って良い。
「それに、ちょっと人に酔ってきちゃった所だったんだっ!だから、それでなくてもちょっと抜けていいかって言いだそうか考えてた所で・・・」
「・・・・うううん。」
「まあ、それなら・・・?」
「ちょっと一人で休みたい気持ちもある、って感じ?」
「うんっ。」
そうは言われても、怪我人を一人置いて行くというのも気が引けるのだが。
ただまあ、人酔いしたと言われると、コンビニまで付き合った所でそれで終わりにはならないし。
というか、自分達が傍に居るのももしかして邪魔になりかねないし。
「・・・じゃあ可憐ちゃん、せめて私のサンダルを履いたら?」
「あ!それ良いじゃん、静香って確か、足のサイズ殆ど一緒じゃなかった?」
「うん。それに、私下駄は別に辛くないから。」
「ほ、本当にっ?じゃあ、お言葉に甘えますっ!」