なんて言って座ったは良いが。
「正直、私占いたい事とか何も・・・」
「え~?何かあるだろ?何か!年頃なんだしさあ、まあお前は彼氏居るし恋愛運とかはどうでも良いとして・・・げふうっ!」
「余計な事を言うな、余計な事を。」
「うふふっ!遠慮しないで?別に小さな事でも良いのよ。」
「って言われてもなあ・・・あ。じゃあちょっと。」
「はい、どうぞ。」
「・・・私、偶に友達が羨ましくなるんですけど。」
「へえ?」
「あら。まあ、そういう事もあるわよね。」
「いやでも、結構ずっとなんで。これからずっとそうなのか占ってもらうって出来ますか。」
「ええ、出来るわ。それじゃあ、この紙にお名前と生年月日をどうぞ。」
お前そんな事考えてるんだなあ、なんて煩い叔父が言う。
しょうがないじゃないか。思うものは思うし、嫉妬するものは嫉妬するんだ。
「では、此処に手を置いて。そう。有難う。ではカードを広げるわね。周助、離れておいて。」
「え、なんでですか。」
「いや、当然だよ。占いは、基本的にその人だけのものだからね。僕に黒崎さんの運命を、じろじろ見るような資格はないよ。」
「良いよ別に。じろじろ見られたく無いって言うんなら、あんたよりこのおっさんの方がよっぽど嫌だから。」
「そこまで言う!?」
「まあ・・・本人が良いのなら良いわ。さて、占いの結果ね。ううん・・・」
「え。」
「ごめんなさい、少し時間を貰えるかしら。これは少し、解釈が難しくて・・・・」
「待つのは良いんですけど、私も叔父みたいにまとめて貰えますか。細かい事言われるの苦手なんで。」
「ええ、分かったわ。そうね・・・先ず、貴方自身の事。貴方は、基本的には自分を卑下する事はないけれど、ことその悩みに関しては自分に嫌気がさしているような、そんな状態ね。」
千百合は小さく頷いた。これはまあ良いだろう。占い師でなくても察しがつくことだ。
「次に、貴方とそのお友達の関係だけれど・・・そうね、ややこしいけれど、貴方と友達の間に問題はない、と出ているわ。」
「へー!じゃあこのままって事なんですか?」
「それも違うんです。タロットが示しているのは、2人の間の関係の潔白。つまり、貴方は自分ないしは友達に原因があるかのように考えているけれど、本当の悩みの原因は別の所にあるんじゃないかしら?」
「別の、所・・・」
どこだろうそこは。
紀伊梨ではないという部分は頷けるが、自分でもないなんて事があるのだろうか。
「次に、さっきと同じく近しい未来について。これについては、あまり変化はない、とあるわ。ただ、もっとずっと遠い未来に、大きな変化の兆しが見えるわね。」
「遠い未来・・・」
「って、どのくらい?」
「そうね、少なくとも1年は先。」
「1年・・・」
最低限1年はこのまま宣告。
いや。
(変化の兆しがあるだけマシか。ずっとマジでこのままって線もあり得たし。)
「最後。解決策の事だけれど・・・」
「けど?」
「神様が解決してくれる。とあるわ。」
神様。
それは。
「運を天に任せる・・・って感じの事ですか。」
「そうね。成り行きに任せる・・・と言えば楽そうに聞こえるかもしれないけれど、その実結構大変なのよ。何があっても、最後にはきっと上手くいく。そう信じて、諦めない力が要求されるわね。」
「ええええ・・・・な、何か結構暗い中身聞いちゃった感じじゃん・・・」
「まあ、占いというのは、悪い結果が出たらそれに備えられるものです。私が言うのもなんですけれど、当たらない事だってありますので。」
「・・・どうも。何か、参考になった気がします。」
「いいえ。またいつでもどうぞ。」
「姉さん。残念だけれど、黒崎さんは普段この辺りには居ないんだ。」
「あらそうなの?それは残念だわ。でも、また機会があれば是非来てね。」
「はい。どうもでした。」
確かにぼんやりした事しか言われなかったといえば、言われなかったが。
でも、何だか当たってる気がする。
気がするだけかもしれないが、気がするだけでも大したものだと千百合は思った。