Family moments 4:One side 2 - 4/4


「茉奈花ー!準備できてるのー?」
「はーい!」

網代は荷物を纏めていた。

これから網代も宿泊旅行に行く。

親戚とは会うが、田舎に行くのではない。
毎年この時期は、網代家は皆ハワイへ行くのだ。他の親戚も皆ハワイで合流する。

「荷物それで良いの・・・あら?」
「え?何?」
「茉奈花、あなたこの鞄・・・」
「何よ。変?」
「そうね、何かこう・・・あ!ああ、そうだわ、何か違和感と思ったら。貴方、此処にトンボ玉付けていなかった?」

「・・・・・・」

茉奈花は一瞬口をつぐんだ。

「・・・やだお母さん、今頃気づいたの?結構前に落としちゃったのよ、ね。見つからなくてそれっきりよ。」
「あらそうだったの?残念ねえ、茉奈花気に入ってたんじゃない?」
「・・・まあ。でも、なくしちゃったんだもの。しょうがないわよ。」
「まあ、それはそうだけど・・・」
「そうだ!それこそ、ハワイで何か新しいストラップ買っちゃおっかなー♪お母さん、買って?」
「もう、しょうがないわねえ。」
「え、本当に良いの?」
「良いわよ。部活とか勉強とか頑張ってるものね。ご褒美、ご褒美。」
「やった、約束よ!」

茉奈花はこういう性格である。
その自覚もある。

手から離れたものに執着しない。
もう絶対手に入らないと分かっていてそれを渇望しても、惨めなだけだから。

だから、欲しいものは極力労せずに手に入れたい。
苦労したら苦労しただけ、駄目だった時一体自分は何をやっていたのかという無力感に苛まれる。

ずっとそうやってやってきた。
何かを諦める理由というのは、探せば山ほどその辺に転がっているもので。
幸いな事に、その分最小限の努力で最大限の効果を出すスキルには長けていたから、周りからは出来る子だと思われている。し、実際網代は色んな事がそつなくこなせた。

これからもそのやり方を変える気はない。
これが自分の生き方だーーー齢13にして、網代はそう思っていた。