Aptitude - 5/9


「タオルどうぞっ!」
「ああ、ありがとう。」
「どうぞっ、どうぞっ!」

妹を引き連れてタオルを配る可憐。
よしよし、今日はまだ2本しか落としてない。自分にしては上出来だ。

「どう・・・宍戸君大丈夫っ!?汗がすごいよっ!」
「おう!大丈夫だ、これくらいでへばってられねえからな。」
「・・・・・」
「・・・何だよ?」
「・・・あんまり無理しちゃ駄目だよっ?宍戸君、なんだか全国終わった辺りから、練習への打ち込み方が凄いしっ。」

周りと同じメニューをやっていても、真剣にやっているかそうでないかは疲労度合いを見ればすぐわかる。
元々宍戸は練習に手を抜いたりするような性格をしていないが、ここしばらくの間は特に、何か鬼気迫るものを感じていた。可憐だけじゃない、皆である。

もちろん、今年の夏を経て、それぞれ皆思う所があるのはわかる。宍戸だってそうなんだろう。それはわかっているけど。

「私だけじゃないよっ。少なくとも、マネージャーは皆心配してるからねっ!」
「・・・マジかよ、気づかれてたのか。はーあ、ダセえな、激ダサだな。」
「別にダサいなんて思ってないよっ!」
「お前らは思ってなくても、自分でそう思うんだよ!」

話を聞いていた周囲の部員は、皆苦笑した。
宍戸の気持ちは男としてよくわかる。逆に言うと、マネジにはわからないだろう。

「・・・ん?おい、お前は手伝わねえのか?」

宍戸は、可憐の後ろに居るばかりで、タオル1本持たずフラペチーノを飲んでいる美梨を見合った。

「うん!跡部って人に言われてるの、何もしないようにって。ずっと見てなさいー、だってさ。」
「・・・・そうかよ。そりゃあ悪かったな。」

彼奴何考えてんだ、と宍戸は小さく言った。

可憐はそれが聞こえて、ちょっと眉をしかめ。

そして美梨は、そんな姉の顔をじっと見ていた。