Whereabouts 1 - 1/6



生徒会選挙。
という言葉がある。

生徒会長を決める選挙のことである。

氷帝学園の校則上、候補者に制限は無し。男子でも女子でも、1年生でも2年生でも可。(3年生は当選しても卒業になってしまうため、省かれるが)

とは言いつつ、皆内心で「いやもう、跡部じゃん。跡部でしかないじゃん。」と思っていた。他にどんな候補者が何人居ようと、これはもう圧勝でしょ。と。

思っていたのだが。






「生徒会選挙か・・・」
「ブッチャケ、する意味もあんまりないよなー。」
「ま~ね~。我らが跡部様のあっしょ~、って感じだよね~。」
「あはは・・・うん、まあ、うん。」

いつもの教室の休み時間。
生徒会選挙がそろそろだね、という話題で教室は盛り上がっていたが、はっきり言って可憐も友人達の言葉に同意しかない。

跡部は立候補するだろうし、跡部が勝つだろう。そうに違いない。

「可憐ちゃーん♪」
「あ、茉奈花ちゃんっ?」

網代が手を振りながら教室に入ってきた。

「これ、先週のレポートよ。」
「あっ、はあいっ!また纏めておくねっ。」
「よろしく!ごめんね、お喋りが盛り上がってるところに入ってきちゃって。」
「いや、アタシたち選挙のことをちょいと喋ってただけで・・・」
「選挙?って、生徒会選挙のことかしら?」
「そうそう。まあ、跡部君の圧勝だよねって感じで・・・」

「どうかしらねえ。」

「「「「え?」」」」
「案外、圧勝でもないかもしれないのよ、ね。まあ選挙なんて結局、蓋を開けてみるまで本当の所はわからないんだけど。」
「な、なんでっ!?」
「逆に跡部君が負ける要素なんてある~?」
「私もよくわかんないのよ、ね。侑士君の受け売りだから。」
「・・・そっかっ。」

たったこれだけの会話で胸がもやもやする。

自分の知らないところで会話してるなんて、当たり前なのに。
何でもないことなのに。

慣れないと、いけないのに。

「気になるんなら、侑士君に聞いてみればどう?」
「「「「え?」」」」
「あははっ!やだ何?4人揃って、意外みたいな顔をして?」
「あ、イヤ~、その・・・」
「捕まるかな~と思って~。結構忙しくしてるみたいだし~?」
「まあ確かにね。でも今日は確か、お昼はサロンに居るって言ってたから。」
「じゃあ、行ってみよっか。お昼暇だし。」

伊丹の一言で一気に尋ねる方向に雰囲気が動き、可憐達は昼にサロンに行くことになった。