New comers 5 - 4/6


同じ頃。
D2つとS3であっさり勝ってしまい、午後まで暇を持て余したビードロズ達は、木陰に引っ込んでいた。

生憎だが今日の新人戦は、あくまで部活だから解散できないとのこと。

「今日午後からでも良かったんじゃね。」
「そういうわけには・・・」
「結果論だからなあw」
「けっかろん・・・?」
「ええと、すでに出た結果から、過去の行動を考えるっていうことで・・・」

本日午前の試合、S1が丸井でS2が仁王。ただし2試合やって2試合ともS3までで3タテしてしまったため、結局仁王の試合も丸井の試合も見られなかった。

とはいえ、回ってこなかったのはたまたまでしかない。結局、可能性があるのなら見といた方が良いということになる。

「午後も同じオーダーだったらマジで帰ろうかどうしようか悩むわ。」
「えー!試合見たい見たいよー!」
「さ、流石に2人のうちどっちかはS3に入れるのでは・・・」
「俺もそう思うけどねwまあまあ、後になればなるほど相手も強く・・・あれ。」

そういえば、決勝で当たる相手どこだっけ。と、棗がトーナメント表を広げた時だった。

ペットボトルが、どこからともなくころころころ・・・と転がってきて、棗の足にぶつかって止まった。

「誰のこれ?」
「誰か落としたんじゃない。」
「紀伊梨ちゃん呼んでみよっかー?お客様の中にアクエリ落とした人は居ませんかー?って。」
「そ、そこまでしなくても近くにいらっしゃるのでは、」

「すまない、俺の物だ。」

4人がそっちを見ると、眼鏡をかけた少年が居た。

「おー--!すごーい!」
「・・・何だ。」
「すごいすごーい!ジャージがカラフルだ、かーっこいいー!」

(青、白、差し色に赤って。)
(トリコロールです、すごい・・・)
(まあこっちも黄色ジャージだからなあw人のことは言えんけどw)

「ね!ね!すごいねー!」
「・・・俺が色を決めたわけじゃない。」
「えー、でもかっこいいよー!なんて書いてあるの?せ・・・せ、い・・・」
「青学だ。」

青学。その響き。

「・・・青学って前お前らが何か話題にしてたとこじゃないのw」
「あれだ、梓と不二が通ってる。」

千百合の言葉に、手塚がわずかに目を見開いた。

「不二の知り合いか?」
「うん!友達だお!」
「と、友達・・・」
「知り合いじゃないのあれは。」
「えー、友達だよー!話したことないけど!」

相変わらずの友達認定の早さである。

「ねーねー!じゃあ周ちゃんも今日来てる?近く居る?」
「いや、この辺りには居ない。俺はこっちにある管理事務所に用があっただけだ。」
「にゃんだー・・・」
「・・・もう話は終わりにする。返してくれ。」
「ああ、はいはいw」

そう言って棗が差し出したペットボトルを、受け取ろうとして。

「・・・・・・・」
「・・・・ん?」
「・・・すまない。」

(ん?)
(今のは・・・・)

「・・・・・・・」
「俺はもう戻る。不二に会いたいのなら、青学のコートに来い。」
「ああ、うん・・・」

棗は一応軽く手を振った。

「・・・・今のあれかな。」
「やっぱり、そうなんでしょうか・・・」
「え?何々?あれって何?」

「故障だよ。」

今、彼は左手を一度出した。
なのにその手を止め、肘をちらりと見たかと思うと、ひっこめて右手を出し直したのだ。

肘に違和感がありますと言ってるようなものである。

通常なら、どうしたのかな痛めてるのかなーで済むが。

「テニスプレイヤーなのに、肘が気になるなんて・・・」
「結構きつそうだよね。」
「えー!大変じゃん、お医者さん行かないとー!」
「医者行ったからって治らんだろ、テニスしてたら・・・」

そりゃあ違和感がなくなるまでずーっとずーっと安静にしていれば良いのだろうが。
でも、スポーツマンってそういうわけにいかないのを、ビードロズはよくよく知っていた。