New comers 6 - 2/5


「なんだこの試合wなんだw」
「でも良い勝負じゃーん!ほらほら、じろちゃんのポイントですぞっ!」
「確かにゲーム差的にはまあまあなんだけどさ・・・紫希、楽しそうだね。」
「え?私、楽しそうですか?」
「うん。」
「あはは・・・丸井君も芥川君も、楽しそうだからかも・・・」

それはその通りだった。

ゲームカウントは5-4で、ずっと1ゲームだけ丸井が差を付けて推移している。

ぎりぎりといえばぎりぎりなのだが、何故か追われてる丸井も、追う芥川もとても楽しそうである。

「・・・はっ!」

「40-15!」

「はあ、はあ・・・」
「はあ・・・すっげー・・・」

肩で息をしながら、それでもすごいと言い続ける芥川。これだから、どんなに気合を入れても入れた端から抜けてしまうのだ。

(ま、要らない力も抜けてるから良いけどよ。)

その時、氷帝のベンチの方で跡部が「タイブレークもありうるな」と呟いたのが聞こえた。

「タイブレーク?はあ、俺それでもEよ?はあ、・・・」
「冗談だろい、はあ・・・」

タイブレークはまずい。
スタミナ不足という弱点がもろに出てきてしまう。

(5-4か・・・)

これ以上ゲームを取られるのはまずい。ここで逃げ切りたい。

「タイブレーク嫌いなの?」
「好きじゃねえな。性に合ってねえし。」

疲れるし。と言わないのはプライド。
誰がみすみす弱点を教えるのか。

「ってわけで、こっからストレート勝ちさせてもらうぜい?」
「マジ?く~・・・俺もう、わくわくするC!」

自分のスタミナから逆算すると、もう猶予がないことを丸井は分かっていた。
続けるとジリ貧だ。本当は、ジリ貧になる時点でもう叱られるレベルのことなのだけど。

まあでも、お叱り云々は勝った後でだ。まずは勝たないといけない。

いつだって負けられないけど、今日はいつにもまして負けられないのだ。
練習試合で他校と戦ったことだってあるけど、その比じゃない。

皆が見てるし。
あの子が見てるから。

(こっち来いとか思っといて負け試合とか、洒落になんねえよ。)

「・・・タイブレークやろうよ。」
「させてみろい。」

必ず決める。決めて、勝つ。

もう自分は、常勝の名を背負うプレイヤーになったんだから。