Outing 3 - 1/6



「桐生ー。部誌の・・・あれ?」

涼しい涼しい第二多目的室。
昼休みになるとめいめい好きなように昼食を食べる中、可憐と網代、跡部や忍足は此処に居る事が多い。
今日もそうだろう、と踏んで向日は尋ねて来たのだが。

「あら、向日君。」
「お疲れさん、岳人。」
「おう!桐生は?居ねーの?」
「出て行っちゃったわ。」
「何処へ?」

網代は眉を下げて笑った。あまり言いたくはないのだが。

「実は、ちょっと道具の注文ミスしちゃって、ね。私達ミーティングがあるから、可憐ちゃんに買い出しに行ってもらってるの。」
「・・・おい、まさか1人とか言わねえだろうな。」

可憐のドジぶりは、向日でなくても、氷帝テニス部なら大半の人間が知っている事である。
一日一回は躓かないと死ぬ病気にかかっている・・・そんな噂まで出て来るようなドジなのに、まさか1人で買い出しだなんてそんな怖い事。

「一応芥川が一緒やねんけどな。」
「なあ侑士?お前、本気で、ジローが付添として役に立つと思ってんのか?」

もしそうなら、その眼鏡に度をちゃんと入れた方が良い。

「・・・やっぱりあかんやろか。」
「当たり前だろ!ウルトラマン並みの活動時間の短さな上に、彼奴も天然入ってんだぞ!クソクソ、なんでよりにもよってジローなんだよ!」
「うーん。でも、ね?向日君。芥川君、此処に居ると寝ちゃうから、買い出しなら起きてられるかもって言ってたのよね。それに買い物に行って貰うと、やっぱりその人の練習時間のロスになるのは否めないのよ。」
「確かに彼奴ならロスもへったくれもねーけどよ・・・」

この2人は考えが甘いのだ、と向日は思う。
芥川ジローという男と、可憐のコンボが如何に爆弾的か分かっていない。
普段寝ているから、基本無害な大人しい奴、と思っていたら大きな間違いというもの。

「・・・あかん、やっぱり怖なってきたわ。どないしよ、野良犬とか野良猫とか。」
「野良犬は居ないと思うけど・・・」
「野良猫のが怖いっての。追いかけてって迷子になるぜ。」
「それに野良牛とか野良宇宙人とか、」
「侑士も結構キてんなー。」

そんなボケが素で出て来るくらい心配だったら、ついて行けば良かったのではないだろうか。
ミーティングが云々とか言っていたが、こんな気もそぞろな状態でミーティングも何も。

「でもマジな話、定期的に何処で何してるか連絡させた方が良いぜ?何処まで行ってるんだ?」
「そうね、えーと此処のショップだから・・・新宿だわ。」