Outing 3 - 6/6


「ふう・・・」
「どないやて?」

携帯を切った跡部の顔を、忍足と網代は気遣わしげに見た。

「先ず、所在地だが渋谷のショップに居るらしい。」
「渋谷?」
「なんでまたそないなとこに・・・」
「桐生が地図を読み間違えた。ジローが猫を追いかけて駅から離れちまった。ふらふらしてたら、偶然にも渋谷のショップに辿りついて、そこで買い物。」
「凄いわね向日君。」
「ドンピシャやな。」

野良猫を追いかけて迷子になるぞ・・・と言った向日は、大当たりだったのだ。
流石、あの芥川の幼馴染をしているだけの事はある。

「その後、店内でディスプレイに桐生がぶつかって、怪我をしたそうだ。」
「「怪我!?」」
「大した事じゃねえ。転んで擦りむいたみてえだな。たまたま居合わせた奴らに手当含め助けて貰ったらしい。で、迷わねえようにそいつ等に付き添って貰って、買い物が終わり次第此処に戻ってくる。」
「こっちとしては、親切な人が居って助かるけど・・・」
「面倒見て貰うのは、ちょっと申し訳ないわね。わざわざ出向いて貰うわけだし。」
「ああ。何処の誰なのかは知らねえが、到着したらそいつ等の目的地までは運んでやるつもりだ。」
「大人なん?」
「いや、ガキだ。同じ年か、若しくは下か。電話に出たのは馬鹿っぽくて騒がしいやつだけだったが、後3人居るらしい。」
「男の子?」
「・・・・・」

跡部はちょっと会話を反芻する。

「・・・いや、おそらく全員女だな。電話に出た奴の名前が五十嵐紀伊梨で、他のやつの事をそれぞれ綽名で、紫希ぴょん、千百合っち、なっちんとか呼んでいた。」
「確かに、名前からして女子のグループね。」

網代はホッと胸を撫で下ろした。

「良かった、本当に・・・何か遭ったらどうしようかと思ったわ。」
「まあ、これは全面的に人選のミスだ。岳人の言う事を、もう少し真面に聞くべきだった、ってこった。」

「・・・・・・」

やっぱりついて行けば良かった。
忍足の心中で、その考えはどうしても消えてくれなかった。

芥川でなければ。例えば一緒に言ったのが向日や宍戸であったなら、真っ直ぐ新宿へ行って問題なく買い物をし、真っ直ぐ帰って来れただろうかと考えると、是。

それは分かっているけど。

「侑士君?」
「ん・・・なんでもあらへんで。」
「兎に角、後の話は全員此処に揃ってからだ。それまでは各自戻れ。」

本当に戻ってくるんだろうな。
と思う気持ちを各々抱えながら、3人は一応解散したのだった。