本気か。本気なのか、そうか。
「はい。はい。OKです、じゃあそれで!はい・・・忍足君?」
「はい。」
「齋藤先生も、それで良いって言ってくださったから。最後の方のアンケートとスタッフ紹介のときの時間、忍足君はあっちに行ってもらうってことで。」
「・・・どうも、ありがとうございます。」
本気かよ。
と忍足は思った。
確かに可憐に相談はした。
やる気もあった。
ただそれはどっちかというと、解散してからとか後日とか、そういうプライベート時間にやるつもりであったのだ。
まさか社会見学時間内にGOサインが出るなんて。
(まあ、有難い方向の話ではあるからええねんけど。)
しかし、どういう結果なんだろうかこれは。
可憐が上手く言ってくれたと取るべきか。
いや、多分メントレの担当が乗り気になったとみるべきだろう。可憐がどんなに上手く言ったって、ここまでのスケジュール変更は流石に難しい。
しかし、自分で言い出しておいてあれだけど、これに乗り気になるメントレ担当の大人ってどんなんだろう。
(・・・可憐ちゃん大丈夫やろか。)
可憐は素直な性格故に、変な人の言うことでも真に受けてしまうことがあるのはもう知ってる。
そこはかとなく心配になって、忍足は「早く説明終わらないかな」なんて本末転倒気味なことを考え始めた。
「ー--というわけで、まあごく日常的にできることだけれど、これだけでも結構明るい気分をキープしやすくなると思うんだ。どうだったかな?」
「ありがとうございますっ!すっごく勉強になりましたっ!」
忍足が内科の説明を受けている間、可憐はずっとメントレのことを勉強していたわけだが、齋藤は流石に教え上手だった。
分かりやすく、かつ実践的。
生活に沿っている。
気の持ちようとか、あやふやなことに終始しないことが可憐にはありがたかった。
「なら良かった。さて、じゃあそろそろ時間だと思うから・・・ああそうそう、ごめんね、言い忘れてたんだけど。」
「?」
「僕はそろそろ、本業の方の仕事場に戻らなくちゃいけなくてね。今回の患者さんは内科だし、他の先生の管轄になっちゃうから、僕はここまでなんだ。」
「そうなんですかっ?」
齋藤が良い先生だと感じ始めた反面、他の先生のことはまったくわからず、可憐は一抹の不安を覚えた。
(でも、忍足君は一緒だし、多分大丈夫だよねっ?)
「で、桐生さん。」
「あ、はいっ!」
「最後に、これだけは聞いておきたいっていうことがあるんだけどね?」
「はい・・・?」
「君は本当に、この問題を解決したいと思っているのかな。」