Nemesis 1 - 1/5


氷帝学園は規格外の部分が多いと言われる学校だ。
だが、あくまで学校である以上、どうやっても避けられないことというのもある。

勉強はそのうちの一つ。

「・・・・・・・」

「アア~・・・もう中間考査なんかイヤだー!滅んだら良いのにー!」
「中学生の身で何を言ってるんだか。」
「なんのために学校来てんだよ授業料返せや~、って感じ~?」
「ヒドクないちょっと!」

「・・・・・・・」

「とは言いつつ、私も今回やばいわ・・・副教科怖ー。」
「あー。副教科苦手な人って多いよね~?」
「エー、瑠璃できてなかったっけ?」
「音楽はまあ。吹奏楽だし。でも他のがなあ・・・」

「・・・・・・・」

「朝香理科大丈夫なの?」
「あ~、まあ今回は~?」
「地層は期末にマワスって言われてたもんね!」
「黙れ。」
「イッタだけじゃん!・・・あれ?可憐?」
「可憐、どうしたの?」
「お腹痛いの~?」

ずーっと黙っている可憐の顔色は、まあまあ悪い。

「ど、どうしよう今度のテスト・・・」
「え?何?キュウにどうした?」
「可憐いっつも、成績はまあまあ良いじゃ~ん?」
「今回は駄目だよっ!どうしよう、どうしようっ!」
「えええ、まあまあ落ち着きなよ。どこがわかんないのさ、一緒にーーー」
「違うの、そうじゃないのっ!最近勉強して無さ過ぎだよ、まずいよまずいっ!」

氷帝学園は、夏休み明けテストという奴が無い。

というか、正確には学年主任同士が話し合って決めるので、その年、その時の学年であったりなかったりするのだ。

可憐は一学期の期末からずーっと部活漬けになっていたし、後半は忍足の件に気を取られまくって勉強の優先順位がめちゃくちゃ後ろになっていた。
休み明け考査も無かったので、勉強の理由もなかった。

こんなに勉強してない状態で中間に突っ込むのは初めてである。
まずい。大分まずい。

「デモさ、可憐だったら、そもそも普段が良いんだからさー。ちょっとくらい落ちた所で、」
「志ひっく~。」
「なんだってー!」
「まあ、落ち込む水準ってその人次第だから、真美に基準決められてもねって感じではある。」
「く・・・・!」
「ど、どうしよ、どうしよ、何とかしないと、今からでもなんとかしないと・・・!」
「まあ、何とかするためのテスト週間だからさ。」

伊丹の言う事は実に正論であった。

そう。何とかするために教師はテスト週間を設けているし、部活も停止にするのである。

これからは、放課後になったらみっちり勉強しよう。
テニス部でも勉強会みたいなのはやるが、もう終わったら速攻で家に帰って自室缶詰で勉強だ。

そう思った。

思うだけは。