「・・・・・・」
部活終了後。
号令後の片付け時間。
幸村は、気遣わしげにベンチに置いてある自分の貴重品入れをちらちらと見ていた。
「幸村。どうした。」
「弦一郎。いや・・・千百合から連絡が来なくて。」
「黒崎千百合からか?」
「うん。帰りの電車に乗ったら、連絡をくれる筈なんだけど。」
それが来ないのである。
さっきから気にして見て居るのに、鳴りもしなければ光りもしない自分の携帯。
単に忘れているだけなら良いのだが。
「片付けが終わったら、此方から連絡をしてみてはどうだ?」
「うん。そうす・・・」
ピリリリリ
ピリリリリ
「!」
慌てて携帯に駆け寄る幸村。
発信者、千百合。
「もしもし?千百合?」
『・・・精市。』
「うん。俺だよ。今何処に居るんだい?』
『・・・今か。今ね。うん。』
「・・・?ごめん、千百合、なんの音だい?なんだか周りが騒がしいみたいだけど・・・」
『ああ、うん。あのね、精市。私今ね・・・』