Outing 4 - 4/7


「・・・ヘリに乗ってるの。」

「あっはっはっはっはwあっはっはっはっはw」
「わー、たかーい!見て見て紫希ぴょん、観覧車があるよー!」
「ええ・・・綺麗ですね・・・」

もう、考えるの、やめよ?
紫希と千百合は段々そんな心境になりだしている。

跡部の考えた「アレがある」のアレとは、ヘリポートであった。本来はドクターヘリとかが着陸する用のもので、でかい学校ならある可能性が高いが、立海レベルなら間違いなく存在している。

『へ・・・え?え?ヘリ?』

「うん、ヘリ・・・」

『・・・ヘリコプター?だよね?』

「うん・・・詳しい話は帰ったらするけど、取り敢えず学校に着陸するから。」

『・・・うん、分かったよ。分からないけど。』

「そりゃあ誰も分からんわいなw」
「堪忍な。うちの部長さん、庶民の考えいうのがよう分かってへんねん。」
「ふふっ。おまけに分かる気もそんなになさそうだし、ね?」

ヘリコプターにはビードロズの4人と跡部と可憐、加えて乗りたがった忍足に網代、宍戸や向日や序に芥川も乗っている。紀伊梨は賑やかだー!と大層喜んだが。

「部長さんなの?彼奴w」
「うん!跡部君は凄いんだよっ!テニス部でいっち番強くて、1年生なのに部長さんなんだっ!」
「ほー。」

その辺は幸村と似ている。

「・・・んでもやっぱり、それを差し引いてもかなり偉そうねw」
「あら、もしかして気を悪くしちゃった、かな?」
「んーんw似合ってるから不思議と腹は立たないわw」
「あ!そうだよね、跡部君ってそういう感じ!」

「・・・・・」

忍足は棗をじいっ・・・と見た。

「なーにw」
「いや、男やったんやなあと思て。綽名聞いた時女の子しか居らへん思てたから。」
「紀伊梨がなっちんって言ったからでしょw」

幸村もそうだが、ゆっきー、なっちんと言われるとどうしても女子と間違われがちだ。
それはそれで面白いので、棗は訂正する気はないが。

「俺の名前は黒崎棗だよ。だからなっちんなの、よろしくw」
「へえ、棗君っていうの。お洒落な名前、ね。」
「どうもw」
「私、網代茉奈花。よろしくね?」
「忍足侑士や。よろしゅうな。」
「どうもどうもwよ、ろー・・・」

仕方ないと言えば仕方ないのだが、ヘリコプターという乗り物は時に大きく揺れる。
何も問題が無くても、である。

この時もそうだった。神奈川へ向かう道中、ヘリは少し傾いだ。

「わ、わっ!」
「おっとお。」

ぐらっと来た可憐の肩を、誰より早く棗の右手が捕まえた。

「あ、有難う棗君!また転んじゃうとこだったよ・・・」
「桐生ちゃん頭から行くから怖いわあw」
「一応気にしてるんだよ・・・!」

(・・・お?)

「・・・・」
「?棗君?」
「ああいえいえwなんでもございませんの事よw」

見上げて来る可憐。
の、向こうに居る忍足が急にシャンとした真顔になっている。
会った時から表情薄いなとは思っていたけれど、今薄いを通り越して無だ。

(あれは何w兄心なんですか?w)

どっちにしろ、今自分はもやっとした何かを以て見られている事は間違いあるまい。

「wwww」
「棗君?何笑ってるのっ?」
「後ろ向いてご覧・・・あたっ!」

いや、そんなに痛くはないけど。
幾ら顔面にクリーンヒットしたとはいえ、リストバンドだから。

「忍足君!?」
「ごめんなあ、手滑ってん。」
「滑ってるってレベルじゃねーぞw」
「もう、侑士君ったら!」
「良いけどさw」

忍足のリストバンドを棗から受け取る傍ら、網代はコソッと棗に耳打ちした。

「うちのお父さんは過保護なの。」
「あー、やっぱそっちすかw」
「そ。ごめんね?」
「別に良いけどさw」

別に良いけど、可憐の面倒を見たら真顔になる傍ら、網代と話すと明らかに面白くなさそうな顔をするのは止めて欲しい。
どうせよと言うのだ。
あれか。娘はやりたくないけど妻は俺のだってか。

(顔が整ってるから、睨まれると余計に傷つくねえw)

「忍足君っ!聞いてるのっ!」
「堪忍な。」
「私じゃないの、棗君に謝って!」
「良いよw今日はそういう日なんだよw」

多分本日は八つ当たられDAY。なのだ。