一方その頃、棗は裏庭付近で電話をしていた。
ライブ中に着信が来ていたのだが、当然ライブ中に通話できるわけもないので、今折り返すことになったのだ。
着信は、謙也から。
「はい、もしもしー?」
『もしもし?何や折り返し遅かったな、忙しゅうしとったんか?』
「まあちょっといろいろあってねwで、何?」
『文化祭やねんけど、結局何人で来るんや?全員か?』
「ああ!こっちは全員よwだから4人でよろしくねw」
ビードロズ勢は、すでに木下藤吉郎祭のチケットを家に送付されていた。
後は11月を待って、向かうだけ。
単にリマインドか確認かな、と棗は思ったのだが。
『・・・4人っちゅうと、ビードロズやな?』
「まあそうね・・・え、何?何かまずいの?」
『いや、まずくはないねんけど・・・・んー・・・』
「何?とりあえず言ってよ、埒があかないからw」
『あー、いやまあその・・・氷帝のメンツとは、一緒に来おへん感じか?っちゅー話を聞きとうてやな。』
「氷帝って、忍足とか桐生ちゃん達ってこと?今は特に一緒に行こうみたいな話してないけど、チケット送ってんの?」
『いや、その辺が迷いどころっちゅーか。まあ侑士にはマストで送るとして、桐生さんとかがなあ・・・』
「え、何w喧嘩でもしてんのw」
『俺とちゃうわ!いやまあそもそも、喧嘩でもないんやろうけど、うーん・・・』
俺じゃない。
その発言で、棗はピンと来るものがあった。
「・・・もしかして、今ちょっとあっち方面で、関係が微妙なのをご存じなのw」
『えっ!?お前も知っとるんか!?なんでや!?』
「いやまあいろいろあってね、ビードロズは皆知ってるのよwなるほどね、そっちかあ・・・困ったねw」
『せやねん!呼んだりたいねんけど、呼んでなんやあっても嫌やねん!俺ら文化祭はずっと一緒に居ってやられへんし、かといってフォロー無しで放っておくのんもなあ・・・そうか言うて、侑士だけ呼ぶとか言うのんも嫌やわ。ハブにしてるみたいで。』
「まあねえwそれじゃあ、桐生ちゃんだけ俺らと一緒に行く、ってことにする?」
『ええんか!?』
「良いよwうちは大歓迎だし、何か適当に理由付けて、桐生ちゃんだけこっちにずっと混ぜとくよw忍足と網代ちゃんは完全に別口でってことにしとけば良いんじゃない?桐生ちゃん自身がプランに乗ってきてくれたら、向こうも無理にとは言わんでしょw」
おそらく桐生は、こっちに来いと言ったら迷わずこっちに来るだろう。
忍足と網代と3人で居るより、絶対そっちの方が楽だからだ。
理由なんてどうにでもでっちあげられるし。
『助かったー!よし、ほんなら甘えるわ!それで行こ、それで!』
「アイマムw」
すっかり晴れやかな声音の謙也と違って、棗は通話を切った後、はあと溜息を吐いた。
これは当日、結構神経を張るかもしれない。
四天宝寺側に訳知りの者が居るだけで、大分楽になるから、行けそうではあるけど。
「なあーんか理由考えないとなあ。理由、理由・・・一緒に居る理由・・・」
うんうん唸る棗だったが、結果的にこの問題はするっと解決することになる。
それをまだ知らない。