Queen’s country:Request - 4/6


食事を終えて部屋に戻ると、一応1時間くらいは自由時間がある。
ある程度は部屋の行き来も可。

ということになってるのだが。

「・・・・・・」
「ただいま帰っただわよー。」
「桃美、外どんな感じ?」
「うーん、何かこう、妙に静かで広くて、何か落ち着かない感じだわねー。」

ホテル全体の妙な静けさは、多くの者が気づいていた。
出歩いている者がいても、どうも賑やかさに欠けるのだ。

「石造りだから、防音が凄すぎるのかな。」
「かもね・・・あれ、紫希は?」
「探検だって。」
「探検?」
「柳生がこういうの好きなんだってさ。私は興味ないけど、紫希は行くって言って出て行ったよ。」
「へー。何か紫希って、意外と探検とか冒険とか、好きだわよねー。」
「じゃなきゃ紀伊梨とか兄貴の友達はできないって。」
「千百合は?」
「紀伊梨はともかく兄貴は友達じゃないし。」

もし血縁がなかったら、棗と友達になっただろうかと思うと、結構微妙な所だと千百合は思っている。割と真面目に。

「私もう寝よっかな。」
「早くない?」
「別に起きててすることもないし・・・・あれ。」

寝る前に軽く支度を、と思い千百合が鞄を開けると、幸村のペンケースが出てきた。
今日飛行機で一緒に遊んだ際、紛れたらしい。

「ごめん、ちょっと精市の荷物間違って入ってたから、渡してくる。」
「あ。なら、スマホ持ってった方が良いだわよー。」
「なんで?」
「結構足下暗いし。間違って階段踏み外すとか、洒落になってないだわよ。」
「マジか。」
「まあ今日は霧で、月明りとかも期待できないしね。」

窓の外では、月明りどころか、隣の店の明かりさえ遮断するような深い霧が外を覆っている。