Local 2 - 5/7


「幸村、少し良いか?」
「・・・ああ、なんだい弦一郎。」

暫しの間浸っていた思い出から、瞬間引き戻される。

「スマッシュが来た時の処理だが、その時自分がこういう角度から返す場合、」
「うん。その姿勢の時は、確かに返し辛いね。そういう時は、気持ち上体を前にするよう意識して。力が入りにくいから、なんなら両手で持ってしまっても良いし。」
「成る程。という事は、返球は右サイドへ向かうという事だな?」
「そう。ダブルスなら立て直しやすいけど、シングルスの場合、返ってくるとしたら相手はボレーを打ってくる事が多いから・・・」

暑い暑い夏の準備を、暑い暑いGWに着々と進める幸村達。

波の音の代わりに聞こえるのはボールの音で、体を濡らすのは海水じゃなくて汗で、一緒に居るのは幼馴染じゃない。

それは少し寂しくもあるけれど、この場所を誰かに譲りたくは無いから。

(・・・今日は帰ったら、電話をしてみようかな。)

行けない代わりにうんと沢山話を聞こう。
今日海でやった事。
可憐と語らった事を。