「しんど・・・・」
千百合はポツリと呟いた。
もうそろそろ夕方だ。
日は沈んできているしそれに従って気温も下がってきているし、暑さは和らぎつつあるけれど、でも暑い。
当たり前だ、さっきからずっと走りっぱなし叫びっぱなしなのだから。
携帯を見ても見つかったという知らせは無い。
つまり、未だに迷子。
休むにはまだ早い。
(えーと、次のスピーカーは・・・あっちか)
元々千百合の居た屋台のエリアは、この広い公園の中でかなり中心に近い方であった。
其処から段々外へ外へ、公園の端の方にあるスピーカー周辺を回って走っているのだが、空振り続き。
中心から離れてきているおかげで人は減ってきており、見通しは立ちやすくなっては居るが。
(でも、そもそも親が近くに居ない子供なんて・・・)
「・・・あ。」
居た。
(待って、待って、あれで間違いないの?本当に?)
急いで携帯を出し、写真と写メった特徴リストを見る。
黒髪。おかっぱ。
赤いTシャツに半ズボン。
(・・・っぽいけど・・・)
グループLINEで一先ず現在地を拡散し、千百合は声をかけようと近づいた。
矢先。
(・・・誰、あの人?)