「マジかよ靴擦れだと・・・うおっ!と、と、と、危ね!」
桑原経由で紫希の靴擦れを知らされた棗は、うっかりトランプタワーを崩しそうになった。
何をやってるの何を、というツッコミは一月もすれば誰もしなくなる。
「言うのを忘れてた、だと。」
「あー、あの子らしいやねw必死になると自分の事スポーンって頭から抜けちゃうからなー。」
紀伊梨が危なっかしいのは皆が知っている事だが、紫希もそういう意味ではなかなかどうして危なっかしい。
「もっとちゃんと見とかないとなー。」
「見ておく・・・春日を?」
「紫希に限ったわけじゃないけどね、みーんなよ。」
「なんだか、お前お父さんみたいだな。」
「そんな良いものじゃないw趣味だからw」
「趣味?」
「そ。」
棗は多趣味だが、最大の趣味は大好きな人達の世話を焼く事なのである。
「因みに俺、お前らの事も見とかないとなとか思ってるからねw」
「え”・・・」
「何ですかその顔はw喜べよw」
「正直、お前とか仁王に気にかけられるのは、手放しで喜べない所が・・・」
「俺あそこまで性格悪かないわw一緒にすんなしw・・・あ。」
そうだ。
思い出した、仁王だ。
「なあ、話変わるんだけどさ。」
「ん?」
「実はちょっと考えてる事があってねwその為にテニス部メンバーのスペックを教えて欲しいんだけどw」
「スペック・・・この場合スペックってなんだ?」
「例えばさ、こう、このくらいのスペースがあって、其処で・・・」
話し込む棗の頭の中はーーーいや、棗だけじゃない。
皆の頭の中は、これからの事で早くもいっぱいである。
夏が始まる。
その夏をめいいっぱい駆け抜ける為の準備を、今からしなくては。