Set conditions - 2/8


「桐生ー。」

可憐が1人で生物に勤しんでいると、ほどなく声がかけられた。

「はーい・・・あっ!向日君だ!」
「おう!なーなー、政経ちょっと助けて欲しいんだけど、良いか?」
「あ、はいっ!どーぞっ!」

いそいそと向日が広げるノートには、「?」のマークがそこかしこについていて、可憐は悪いと思いつつちょっと吹き出してしまう。

「向日君って社会苦手なのっ?」
「政経が嫌い!」
「そうなんだ?」
「なんつーか、似たような単語多すぎねえ?漢字もやたら出てくるしよー。」
「あはは!なんとなーく分かるよっ!」

歴史とか地理とかと違い、政経は単語の意味からして分からなくなる事が向日は多い。
時事問題も出るし、新聞やニュースも好きじゃないし。

「衆議院と、参議院が?どっちがどう違うんだ?」
「えっとね、衆議院と参議院は逆に、基本お仕事は一緒って覚えた方が良いよっ!話し合いを慎重にする為に分かれてるだけだから、逆に違う所の方が少なくて、そこだけ覚えれば・・・」

サクサク解説する可憐を、向日はちょっと羨望の眼差しで見つめた。

「・・・・・」
「それでねっ、権限の違いなんだけど・・・向日君?聞いてるっ?」
「・・・桐生ってさー。」
「?」
「本当に頭良かったんだな。」
「どういう意味ですかっ!」
「ははは!わりーわりー、何か普段ドジだから、なんとなく勉強とかも苦手なイメージあってさ。侑士や跡部から成績良いぞって言われても、ぶっちゃけ「本当か?」って思ってたんだよなー。」
「もー!」
「ごめんって、もうそんな事思ってねーからさ!な?」

そう言われてもぷーっと膨れてしまうのは止められない。

「そう思うんだったら、それこそ忍足君の所とか行けば良かったのにっ!」
「悪かったよ、後で紙パックジュース奢ってやるから!」
「・・・本当っ?」
「おう!」
「じゃあ牛乳が良いなっ!」
「・・・・・・」
「向日君っ?」
「・・・俺も同じ事考えてっから、一応言っておくけど。」
「?」
「牛乳飲んでも伸びねえ奴は伸びねえからな!」
「そんな・・・・!」