Solicitation:Break time 2 - 2/6


「・・・・おし。皆ー!ちゅーもーく!」

棗は徐に立ち上がって、パンパンと手を叩いた。

「食いながらだけど次の種目の説明するよー!良く聞いといてねー!」

「別にそんなに急がなくても良いんじゃないか?」
「ねー!」
「いや。逆に今切り出したと言う事は、何かしら理由があるはずだ。」

柳は流石だなと棗は横耳で聞きながら思った。
そうだ、その通り。
今言う事に意味がある。

「次の種目は、ケイドロです!」

紫希が目に見えて不安げな顔をしたが、大体の者はこの発言に喜んだ。

「よっしゃあ!そうそう、こういうのを待ってただろい!」
「うむ。今迄はルールの把握からしなければいけなかったが、これならば大体の予想はつく。」

この大体の予想というのが如何に大きいか、種目2つを通して全員が知りつつあった。
何をしたら良いのかの理解から始めると、簡単に裏をかかれてしまう。
予想のついたストラックアウトとつかなかったペイント合戦のやりにくさの差たるや。

「まあ、基本は普通のケイドロですよwただ今回特別ルールとしまして・・・これ。」

棗が取り出したのは、赤ちゃん用の柔らかいゴムボールであった。

「これを「手」として使ってよろしい。」
「・・・なるほど。つまり、遠距離からそれを相手に当てることが出来た場合、それは「手」である、という事ですから。」
「相手に触った。泥棒を捕まえた、或いは仲間の泥棒を逃した、そういう判定が出るわけだね?」
「ご明察だw」
「ええか。」
「はい仁王君w」
「ラケットは?抱えて走るんか?」

別に手で投げようがラケット振るおうが、ボールが飛ぶ事には変わりはない。
だからわざわざラケット使わなくても・・・とはならないのがテニス部員である。
どうせなら練習も兼ねたいじゃない。

「ラケットだけどねw実は第1、第2種目とその場から動かないゲームだったから知らないだろうけど、実は色んな所に隠してあるのよw」
「ほう・・・」
「私らで隠したラケットは、グリップの所に赤いテープ巻いてあるから、それを使っても良いし。今言ったみたいに自分で持ってても良いし。」
「ただ、こちらで設置したラケットは、その場から動かせません。持って移動は出来ないので、その点を考慮して下さい。」
「持って移動が出来ないだと?」
「うん!紐でくくってあるんだよ!」

これはそれなりに嵩張るのを我慢してでもラケット持っていちいち移動するかどうか、という駆け引きの要素と、もう一つ。
何処かの仁王さん家の雅治君のような人が、相手の妨害目的でラケットというラケットを回収して回るとか、そういう無茶苦茶をさせない為の措置でもある。

「自分のラケットを隠しておくとか、そういう事も出来るのかい?」
「それはして良いよwその場合、他の人も見つけたら使って良いけど、移動はやっぱり駄目ねw他人のラケットは動かさない事、これ鉄則w」
「ふむ・・・・」
「最終的な勝利条件は、鬼側がタイムアップの時に過半数である3人以上の泥棒を捕まえておけたかどうかwこっちの用意した場所に3人以上の泥棒が入っていれば警察側の勝ち、そうでなければ泥棒側の勝ちw」

流石にこの条件で泥棒全員捕まえろというのは厳しい。
そう判断した結果がこの人数指定である。

「んでだw此処からが本題だが、チーム分けねwこれを逆にしようと思うw」
「逆・・・とはどういう意味ですか?」

「くじを後にするw今飯食いながら女子三人と交渉して、先にドラフトしてしまえw」

(なんと・・・)
(えげつない事を要求しよるぜよ)

今迄、くじでチームメイトを決めたらそれを踏まえて女子メンバーを決める、というのが流れだった。
今回は逆。
つまり、誰を選んでどう転ぶかは分からない。
作戦が立てられない、運任せというやつ。

「分かったなwじゃあおおいに相談してねw」