Solicitation:3rd game 2 - 1/5



『お知らせしまーすw桑原が捕まったよーw』

ひい、と紫希は息を呑んだ。

真田が捕まり桑原が捕まり、残りは3人。
自分と、仁王と、丸井。

一応ゲーム終了の時点で3人捕まっているか否かが条件なので、まだ後1人余裕がある。それに、捕まっても終了時刻までの間に逃がせば良い。

・・・などと思うのは蜂蜜甘い考えだと、頭の回る者は皆気づいている。
仮に3人捕まったとしたら、残りが2人だけになる。
その状況で残りの警察を出し抜かなくてはいけないとなると、かなりハードルの高い要求と言えよう。

つまり、2人捕まってしまったのならもう今の段階で逃がす術を考え始めねばならないのだ。

(・・・どうしましょう・・・)

今、紫希は元娯楽室か何かであったのだろう場所のカウンターの陰に居た。
此処には壊れてはいるが、ビリヤード台やダーツやそう言ったゲームが多数置かれており、細々したものが多い。
此処なら足の遅さを多少カバー出来るかと思い身を潜めていたのだが、これは出て行くべき時が来たのかもしれない。

「・・・・・」

細心の注意を払い、カウンターの下から出て周囲を伺った後、紫希はゆっくりと姿を現した。

基本的に足の遅い紫希は、逃げるべきではない。
鉢合わせて逃げる事と追いつかれて捕まる事が、ほぼイコールだからである。
だからこうして隠れてやり過ごすのが良いと分かっては居るのだが。

(でも、そんな風にして私だけ残っても何にもなりませんよね・・・私だけで他の皆を助け出せるとも思えませんし・・・)

蘇る幼少の時の記憶。
ドッジボールでは避ける事にばかり長けていたから、無駄に最後の1人になる事も何度かあったっけ。
あんな風には今なりたくない。

それなら、まだ3人逃げていて鬼がバラけている今の内がチャンスかもしれない。
紫希はそう考えていた。

ギ、と開けた扉の軋む音。
これだけでもう怖い。
周りが静かな所為で余計に響く。

(落ち着いて・・・檻は確か、中庭の最奥ですから、此処からだと右手へ行って、階段を下りて・・・)

部屋を出て動く時は、逆に出来る限り素早く。
退室した紫希は壁に沿うようにして、長い廊下を物音を極力立てないよう早足で進んだ。

もう曲がり角は目の前。
其処を曲がれば、下りの階段に入れる筈。

だった。

「・・・きゃあっ!」
「おっと。」

ぶつかった。
何かにーーーというか状況的に人以外有り得ないのだが。

というか、この声は。
まさか。

「や・・・柳生君・・・」
「お怪我はありませんか、春日さん?」

別に怪我はない。
大丈夫だから。

だから見逃して。
の意を籠めて柳生を伺ってみると、にーっこり微笑まれた。

ですよね。