「別物、なんでしょうね。」
「ああ。その確率は98.7%だ。」
BチームもBチームで成果の報告をしあっていた。
そんな中、柳生と柳は確信を持って会話を始めた。
「バラバラ?何がー?」
「この3つのヒントの間には、関連性のある物と無い物がある。そういう事です。」
「?????」
「おい、これは五十嵐じゃなくてもわかんねえだろい。」
「ああ、俺達にも分かるように説明してくれ。」
「先ず、俺達はそもそも具体的でないヒントを最初から抱えていた。1つはこの最初のカードの「PLACE」の部分。それから「HINT」の部分だ。」
これはAチームも共通だが、具体的に分かる言葉で示されていたのは「ROOM」のみ。
後は読んでもわけがわからない文章だけ。
「先ずこの「PLACE」ですが、これは目指すべきヒントがこの部屋の中の何処にあるのか?それを示しています。これはほぼ間違いありません。」
「なんでー?」
「単語がこれだけ異様に多いからです。」
その下に有る「HINT」と比べて、「PLACE」には「太陽」「楓の色」「愛しい時」といった名詞が多い。これはヒントの在処を説明するに当たって、比喩表現を半ば無理矢理使うからこうなるのだ。
「ふーん?良く分かんないけどー、じゃあじゃあ、他のヒントは違うって事ー?」
「ええ。では何か、と言われるとそれはまだ分かりかねますが、少なくとも場所のヒントではない別の何かの筈です。」
「って事は、この「HINT」っていうのは、これはこれとして考えないといけないんだな?」
「そうだ。そして更に言うと、この柳生と五十嵐が見つけた情報。」
SideB:千鳥
「そして、丸井君の話によると、Aチームへのヒントと思われる物にも、ごく似たような物が書かれていたと。そう仰っていましたね?」
「おう。」
「となると、この見つけたヒントと、最初に貰った「HINT」は逆に、紐付されている可能性が高い訳です。双方、書かれている文字数は僅かで、しかもそれのみ読んでも意味が無い。組み合わせるべき、と捉えてよいかと。」
勿論、推測に推測を重ねているだけで、蓋を開けたら違うかもしれない。
でも、なまじ棗は頭が良いだけに、そこまで訳の分からない事はするまい、と柳生は思っていた。
「はー・・・お前すげえな。探偵みたいだろい。」
「それは大袈裟ですが、ミステリーを嗜む身としては嬉しいお言葉ですね。」
「ほう。柳生はミステリーが好きか。」
「そうですね、特に好んで読んでいますよ。最近はアガサ・クリスティーを再読しているのですが・・・」
「ちょ、ちょっとその話は後にしてくれ!五十嵐が寝ちまう!」
「・・・はっ!」
桑原に揺すられて、はたっと目覚める紀伊梨。
どうもこの手の話は睡魔を誘っていけない。
「ああ、失敬。兎に角、そういうわけですので、この3つのヒントは見つけた物とHINTは仲間。PLACEは独立。そう見るべきですね。」
「ほうほう!じゃあ、結局次のヒントはどこ?って思った時、結局使って良いのはこの「PLACE」?ってとこ?で良いの?」
「はい。」
「他には無いの?」
「ありません。」
「これ「だけ」?」
「「だけ」です。」
「えーーーーーー!」
紀伊梨は思わず大声を上げた。
「地道に解いていきましょう。」
「そうだな。一先ずさっき例に上がった、「楓の色」「愛しい時」に該当する物や場所などが無いか見て行こう。」
「ええ。分かり易いのはその辺りでしょうね。」
「ちょっと待ってよー!もーちょっとヒントくれないと紀伊梨ちゃんわかんないよー!」
「まあ、気持ちは分かるけどさ。」
「無いもんは無いんだよ。しょうがないだろい。」
「そんなー!」